
北朝鮮とロシアが軍事協力を超えて戦略物資分野でも連携を強める動きを見せている。ロシアのプーチン大統領がレアアース(希土類)資源の確保に向けた戦略の策定を指示し、北朝鮮との国境地域での物流インフラ整備を推進する中、北朝鮮のレアアース資源が両国協力の新たな「戦略物資」として浮上する可能性が出てきた。
プーチン大統領は政府に対し、2025年12月1日までにレアアース資源確保のためのロードマップを策定するよう命じた。特に、北朝鮮および中国と接するロシア極東地域に複合輸送・物流の中核拠点を構築することを強調した。この動きは、ウクライナ侵攻以降、西側諸国からの制裁で苦しむロシアが、戦略物資の供給網を再編しようとする試みの一環とみられる。
レアアースは、北朝鮮とロシアの資源協力における最重要分野として注目されている。北朝鮮が世界最大級のレアアース埋蔵国である可能性が専門家の間で長年指摘されてきたからだ。英資源企業SREミネラルスは、平安北道・定州(チョンジュ)の鉱山に約2億1600万トンのレアアースが埋蔵されていると推定している。この数値は米国地質調査所(USGS)が把握する世界全体の埋蔵量(1億1000万トン)の2倍近い。
しかし、北朝鮮は国内需要の不足や国際制裁、技術力の欠如などにより、これまで資源の開発が進まずにいた。特に、レアアースの精錬・分離・精製に必要な高度な技術が乏しいとされている。一方、ロシアは旧ソ連時代から蓄積された戦略金属・希少資源分野の技術ノウハウを持つ。
専門家は、北朝鮮とロシアによる資源協力が本格化すれば、地政学的な影響も無視できないと指摘している。さらに、レアアースをめぐる北朝鮮・中国・ロシアの3カ国協力が拡大する可能性も取り沙汰されている。米国や欧州連合(EU)が中国主導の供給網からの脱却を進める中、この3カ国が新たな「レアアース軸」を形成すれば、世界の戦略物資市場に大きな変動をもたらす可能性がある。
韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「ロシアはレアアースの加工技術を持っているものの、流通のノウハウには限界があり、中国との協力は避けられないだろう」と分析したうえで「石油やガス、核・ミサイルと同様に、レアアースも極めて重要な戦略資源であり、北朝鮮・中国・ロシアが協力すれば、また別の強力な同盟として機能する可能性がある」と展望した。
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