
北朝鮮のキム・イルソン(金日成)主席とともに活動した「革命1世代」が次々と政界から姿を消し、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記による体制がいっそう強固になったとする分析が出ている。最近死去したキム・ヨンナム(金永南)前最高人民会議常任委員長を最後に、ほとんどが第一線から退き、世代交代が事実上完了した形となった。
キム総書記が2011年に事実上の後継者として登場した当初は、元老と新世代が共存する移行期の構図が鮮明だった。2012年7月、キム・イルソン主席の18周忌での錦繍山太陽宮殿への参拝では、キム総書記が中央に立ち、左右にキム・ヨンナム氏やチェ・ヨンリム(崔永林)氏、キム・ギナム(金己男)氏が並ぶ姿が公開された。キム総書記の叔母キム・ギョンヒ(金慶喜)氏やその夫・チャン・ソンテク(張成沢)氏も同席し、「革命伝統」と「新世代」の象徴的共演が演出された。
その後も2012~2013年には、経済視察や軍部隊訪問に元老たちが随行し、移行期エリートの姿も見られた。この構図は、キム総書記体制において元老たちが「権威の安全弁」かつ「世代交代の指導者」として機能していたことを物語る。
しかし近年、北朝鮮メディアが報じるキム総書記の現地指導には、もはや元老の姿はない。2023年の戦術核部隊視察、2024年初頭の超大型ロケット砲(KN-25)試験指導、軍需工業関連会議など、すべての公式活動は、党中央のチョ・ヨンウォン書記、キム・ヨジョン(金与正)副部長、リ・ビョンチョル(李炳哲)氏、パク・ジョングン(朴正根)氏といった「キム総書記世代」で固められている。
革命1世代という象徴的な「バランサー」が退場したことで、キム総書記への実質的な権力集中がさらに進んでいる。政治的儀礼よりも実務と忠誠が重視される体制が明確となった。
専門家の間では、こうした世代交代がキム総書記の統治スタイルに自由度を与え、体制固めに寄与しているとの見方が強い。かつては制度的・歴史的背景を共有する長老たちがある種の抑制力となっていたが、現在はキム総書記の独自色を前面に押し出せる状況になったという。
北朝鮮は年内にも第9回党大会の開催が予想されており、この場でキム総書記が世代交代の完了を内外に宣言し、新たな統治戦略を示す可能性がある。外交・軍事路線の長期化、幹部の忠誠体制強化、経済・科学技術分野の人材刷新が柱になるとみられる。
ある北朝鮮消息筋は「革命1世代が自然に退場したことで、キム総書記中心の新体制が明確になった。今後の党大会を通じて、体制安定や内部統制の強化を訴えるメッセージが一層強まるだろう」と分析している。
(c)news1

