韓国海軍が、今月2日に北朝鮮によって撃ち込まれたミサイルの残骸を回収・分析したところ、このミサイルが1960年代に当時のソ連が開発した液体燃料の地対空ミサイルSA-5(ロシア名S-200)であることが判明した。
北朝鮮は今月2日、北方限界線(NLL)の韓国側水域に向けてミサイルを発射。韓国海軍が6日、その残骸を回収し、外形・特徴などを分析した。残骸は長さ約3メートルの胴体部で、弾頭部は消失した状態だった。胴体には主翼4個が付いており、内部には液体燃料筒とエンジン・ノズルの一部が確認された。
SA-5は冷戦時代の1967年、ソ連が米空軍の爆撃機などを迎撃するために開発した高高度地対空ミサイル。開発初期にはソ連圏でのみ使用されたが、1980年代からは他の友好国にも輸出された。ロシアになってから2006年以降、このミサイルが目撃されておらず、すでに退役したというのが軍事専門家の評価だ。
北朝鮮は1980年代末からSA-5発射台24-40機を空軍対空ミサイル部隊に配備、運用してきた。2000年代初めからSA-5に代わる対空ミサイルの開発に乗り出し、2017年に固体燃料推進体を使用する「ポンゲ5」(KN06)の戦力化を宣言した。
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