
北朝鮮は、5月に予定される米中首脳会談を前に、中国とロシアとの関係強化に動いている。米朝対話の可能性が取り沙汰される中、いわゆる後ろ盾を固め、今後の交渉局面に備える狙いとみられる。
中国では、王毅外相が約6年7カ月ぶりに北朝鮮を訪問し、チェ・ソニ(崔善姫)外相との会談に加え、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記との面会も取り沙汰されている。来月予定されるトランプ米大統領の訪中と米中首脳会談を前に、戦略的な事前調整の意味合いが強いとみられる。
中国側は、北朝鮮との事前協議を通じ、朝鮮半島問題における仲介役としての立場を強化する思惑がある。一方、北朝鮮にとっても対米交渉に臨むうえで、中国の影響力は重要な外交資産となる。
特に、トランプ大統領がキム総書記との再会談に意欲を示していることから、今回の接触では北朝鮮側の対話条件や意思が探られる可能性がある。ただ、北朝鮮は核保有国としての地位を前提とした交渉を求めており、依然として高いハードルが存在する。
同時に北朝鮮はロシアとの関係も強めている。プーチン政権との連携は、ウクライナ侵攻を契機に一層深まった。今月にはロシアへの派兵に関連する記念行事が予定されており、ロシア高官の訪朝も取り沙汰されている。
さらに北朝鮮は、短距離弾道ミサイルや電磁パルス(EMP)兵器の試験実施も公表し、軍事力を誇示した。ただ、これらの情報は対外向け媒体に限定して発信されており、米国や韓国を意識した示威行動の側面が強いと分析される。
専門家は、軍事力の誇示と外交カードを組み合わせることで交渉力を高める戦略だと指摘する。北朝鮮は中露との連携を背景に、米国との交渉における主導権確保を図っているとみられる。
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