
北朝鮮で第9回朝鮮労働党大会の開催が迫っている。北朝鮮は市・郡党代表会および道党代表会を開催し、党大会に参加する最終代表者まで選出したことで、第9回党大会開催に向けた手続き上の準備はほぼ完了したとみられる。今後は代表者資格審査、大会議題に基づく日程確定、文書審議などを決定し、第9回党大会の日程を公表するための党中央委員会政治局決定書の採択を残すのみとなっている。党大会の開催が当初予想より約1カ月遅れているのは、新義州温室総合農場など「未完了の重要対象事業」の完工が終わっていないことが理由である可能性が高い。
5年前の2021年1月に開催された第8回党大会は、対北朝鮮制裁の長期化に加え、新型コロナウイルス拡散に伴う国境封鎖で景気低迷が深刻化し、対米・対南関係も断絶した状況下で開かれた。それと比べると、現在の北朝鮮の内外情勢はかなり好転したと評価できる。国内的には、3年連続のプラス経済成長、食糧生産目標の達成、平壌第5世代住宅建設の完了、「地方発展20×10政策」の進展などの成果があり、対外的には中朝関係の改善、中朝貿易量のコロナ以前水準への回復、ロシアとの政治・軍事的密着および全面的交流拡大など、対外環境も一定程度改善した。
こうした内外条件を反映し、第9回党大会では「新たな変革段階」を設定し、各分野ごとに具体的目標を提示するだろう。キム・ジョンウン(金正恩)総書記は昨年10月の「党創建80周年記念行事」を通じ、キム・ジョンウン主義の核心思想とされる「人民大衆第一主義政治理念」を前面に掲げ、「10年以内にすべてを新しく変革」し、「社会主義の全面的発展」を追求するという長期的政策方向を示した。こうした基調が今回の第9回党大会の決定にもそのまま反映されるとみられる。
まず国防建設分野では「核武力と在来武力の並進政策」が提示されるだろう。キム総書記は昨年末、戦略兵器を中心とする核能力強化とともに、「実戦用兵器」ともいえる常用武力の近代化・高度化を同時に推進する方針を予告している。
党建設分野では、2022年12月に開かれた第8期第6回党中央委員会全体会議(総会)で党の正式路線として採択された「新時代5大党建設路線」が前面に打ち出されるとみられる。これは、政治・組織・思想・規律・作風建設という5つの方向を通じ、党の全面的強化を達成するというキム総書記の「党建設思想理論」に基づくものだ。昨年10月に党創建史跡館を訪問した際、キム総書記は「継承性、社会主義理念、人民主導性に基づき、『新時代5大党建設路線』をより高い段階で、全党組織が総動員して強化・発展させるべきだ」と演説している。
特に最近、キム総書記が現地指導の場で高級幹部を相次いで叱責していることから、党の厳格な規律・統制を強化し、腐敗など規律を損なう要素を摘発・排除する「規律建設」と、現場・実践重視で民心を重んじる「作風建設」が強調されると予想される。
経済分野では、「全面的社会主義建設路線」に基づき、「すべての部門での質的発展」を目標とする経済開発5カ年計画が提示されるだろう。軽工業と農業重視政策を堅持しつつ、立ち遅れた地方の再建事業を拡大するとみられる。特にキム総書記は、昨年12月に開かれた第8期第13回党中央委員会全体会議で、都市と農村の格差解消の観点から、「国家的に炭鉱村を改変する事業」や、「西海岸の干拓地農場のうち、新たに組織された、あるいは最も遅れた農場を、農村発展の新たな変革像を象徴する近代的で文明的な農村へと改変する措置」を求めている。
対外分野では、中国・ロシア・ベトナムなど、いわゆる「グローバル・サウス」と協力し、米国に対抗する「正義で平等な多極化世界秩序」の構築に取り組む意志を改めて表明するとみられる。キム総書記は昨年10月の党創建80周年記念行事での公開演説において、韓国や米国を名指しして直接威嚇する発言は一切しなかった。しかし内部的には、米国を「主敵」、韓国を「最も敵対的な国家」と位置付ける思想教育を強化している。
第9回党大会を通じ、北朝鮮が米国と韓国を直接名指ししない「無視政策」を選択するのか、それとも米国に対し「非核化への執念を捨て、平和共存を望むなら向き合えない理由はない」といったメッセージを打ち出すのかが注目される。ただし対南政策については、米国とは異なり、「韓国は一切相手にしない」という「分離対応路線」を維持することは確実とみられる。
対南政策で最も注目されるのは、改定される党規約で「統一」および「南朝鮮」に関する文言がどのように変更されるかという点だ。2021年の第8回党大会で改定された党規約前文には、「祖国の統一発展」「民族大団結の旗」「祖国の平和統一」「民族の共同繁栄」などの文言が含まれている。これら「統一」や「統一の原則」に関する文章は、すべて削除または修正されるとの見方が一般的だ。
問題は、「朝鮮労働党の当面の目的」と「闘争目標」を規定した部分だ。党規約前文には「朝鮮労働党の当面の目的は、共和国北半部で富強で文明的な社会主義社会を建設し、全国的範囲で社会の自主的かつ民主主義的発展を実現することにあり、最終目的は人民の理想が完全に実現された共産主義社会を建設することにある」と規定されている。
ここで焦点となるのが、「共和国北半部」と、南側を含意する「全国的範囲」という表現の修正有無である。第9回党大会でこれらの文言を削除した党規約が採択されれば、80年以上続いてきた北朝鮮の「南朝鮮革命論」「南朝鮮介入論」の完全放棄を意味する。
この点に関連し、キム総書記は2024年10月に国防総合大学を訪問した際、極めて異例の発言をした。「われわれは率直に言って大韓民国を攻撃する意思はまったくない。意識すること自体がぞっとするし、あの人間たちと向き合いたくもない。以前は南の解放だの、武力統一だのと言ったこともあったが、今はまったく関心がなく、二つの国家を宣言してからはなおさらその国を意識していない」と述べたのだ。
この路線が反映され、「朝鮮労働党の当面の目的」が南朝鮮を含む全国的範囲ではなく、共和国(北朝鮮地域)に限定される形に修正されれば、「闘争目標」を規定した条項も削除される可能性が高まる。すなわち、「朝鮮労働党は南朝鮮で米帝の侵略武力を撤去し、南朝鮮に対する米国の政治・軍事的支配を最終的に清算し(中略)、祖国の平和統一を早め、民族の共同繁栄を実現するために闘争する」とする規定も廃止されるという意味だ。これは、平和統一を志向するにせよ、「対南赤化路線」を追求するにせよ、統一戦線論に基づき南朝鮮の政治状況に介入しようとしてきた政策的根拠が完全に消えることを意味する。
実際、「敵対的二国家関係」に基づき南北関係の根本的転換を党規約に反映させる場合、党大会に続いて開かれる最高人民会議で、軍事境界線以北のみを包含する領土規定を改正憲法に盛り込む可能性が高まる。
北朝鮮は党優位の国家体制を維持している。党の目的と目標が修正されれば、国家戦略と政策も当然変更される。その意味で、党規約の「対南部分」がどのように修正されるのかは、今後の南北対話や交流の可能性を測る重要な指標となるだろう。【チョン・チャンヒョン平和経済研究所長】
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