2025 年 6月 7日 (土)
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北朝鮮「経済・国防5カ年計画」最終年に突入…金正恩総書記、連日“内政”視察で成果誇示

2月6日に江東郡病院と総合奉仕所の建設起工式に出席した北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記=朝鮮中央テレビのキャプチャー(c)NEWSIS

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が、今年完結を迎える「経済・国防5カ年計画」の実現に向けて、民生・軍事両分野の現場を連日視察している。内政への注力を通じて成果を強調し、政権の正統性を国内外に示す狙いとみられる。

党機関紙・労働新聞は6月3日、キム総書記が2日に平壌市江東郡の病院と総合奉仕施設の建設現場を視察したと報じた。この施設は2月にキム総書記が「地方振興政策」の一環として建設を指示したもので、約4カ月ぶりの再訪となった。

キム総書記は「地方に病院を建てることは、10年間で最も遅れていた保健分野を最も先進的に引き上げるための巨大な革命だ」と述べ、現場を丹念に回り、詳細な運営方針を指示。特に医療の近代化に向けた最新設備の導入や、医療人材の体系的・科学的育成を強調した。

◇経済成果と住民支持のアピール

今年で終了する5カ年経済計画を成功裡に締めくくるため、キム総書記は地方の生活インフラ整備を積極的に推進している。特に保健医療分野に最も力を注いでいるとされ、江東郡・龍岡郡・亀城市での病院建設を「地方発展の3大目標」として掲げ、来年からは全国規模での病院整備を進める方針も明らかにしている。

今年10月には、キム総書記が「北朝鮮版セブランス病院」と呼ぶ平壌総合病院の開業が予定されており、これも一大政治イベントになる見込み。しかし、外観は完成していても内部の医療機器整備は未完であり、今後の課題のひとつとされる。

◇国防計画も最終段階 軍現場の視察急増

同様に、国防5カ年計画も今年が最終年であり、キム総書記は5月だけで軍関連の現場を計8回視察した。これは3~4月の各3回に比べて顕著な増加だ。

5月には▽8日:東部戦線における長距離砲・ミサイル体系の合同打撃訓練を指導▽13日:兵科別総合戦術訓練を参観▽15日:第1空軍師団傘下飛行連隊の訓練指導▽29日:大連合部隊砲兵部門の射撃競技を参観――といった軍事日程をこなしている。

こうした軍事分野での積極的な現場指導は、軍紀の引き締めと成果の誇示を通じて計画の完遂を図る動きとみられる。

キム総書記は、年末から来年初頭にかけて開催予定の党大会を念頭に、今後も経済・国防分野の総仕上げに注力する。党大会に向けて計画の達成を演出することで、自らの政治的立場の強化と住民の忠誠心確保を図るものと分析されている。

(c)news1

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