2025 年 11月 17日 (月)
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北朝鮮「新型ミサイルエンジン開発完了」…ICBM「火星20型」年内発射を示唆

9月9日付労働新聞キャプチャー(c)KOREA WAVE

北朝鮮が新型固体燃料ミサイルエンジンの開発完了を発表した。国営メディアはこれを「最後の試験」と位置づけ、近日中に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星20型」の発射実験に踏み切る可能性を示唆した。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は9月9日、ミサイル総局が炭素繊維複合材を使用した大出力エンジンの地上試験を実施し、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が立ち会ったと報道。朝鮮中央通信も「推力1971kN」と明らかにし、約200トンを持ち上げられる水準と強調した。

専門家は、北朝鮮が新型エンジン完成を公表してから1〜4カ月以内に実射実験を繰り返してきた経緯を踏まえ、10月10日の党創建80周年に合わせて発射する可能性が高いとみている。既存の「火星19型」改良型と「火星20型」の両方を年内に試射する可能性もある。

炭素繊維複合材は軽量かつ高強度・耐熱性を備え、ミサイルの軽量化と耐久性向上を両立できる。北朝鮮はこれにより射程延伸と多弾頭(MIRV)搭載能力を同時に追求していると分析される。

新型エンジンはICBMのみならず、偵察衛星打ち上げ用の新型ロケットにも利用されそうだ。北朝鮮は2023年11月に初の軍事偵察衛星を発射したが、それ以降追加発射は実施できていない。

キム総書記は9月初めの訪中直前にも関連研究所を視察し、開発状況を把握した。北朝鮮がこのタイミングで公表に踏み切ったのは、党創建80周年という節目に国内結束を固め、同時に核保有国の地位を国際的に既成事実化する狙いがあるとみられる。

また、北朝鮮は中露との戦略的接近を背景に核戦力強化を誇示している。専門家は「中国が敏感に反応するICBM開発を、抗日戦勝節前後に敢えて発表したのは、中国の黙認を期待するか、少なくとも国際舞台で核保有国としての存在感を誇示する意図がある」と指摘している。

(c)news1

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