2025 年 4月 28日 (月)
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北朝鮮、2年ぶりに新作ドラマ…「地方腐敗と闘う幹部の奮闘」描く

北朝鮮の新作ドラマ「白鶴原の春」のワンシーン=朝鮮中央テレビ(c)news1

北朝鮮が約2年ぶりにテレビドラマの新作を公開した。今回の作品は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が推進する「地方発展」をテーマとし、農村振興に奮闘する地方幹部の姿を描いている。

朝鮮中央テレビは16日、新たなテレビ連続劇「白鶴原の初春」の第1部と第2部を続けて放送した。制作は北朝鮮の映像制作機関であるテレビジョン劇創作社が手がけた。

ドラマは、農業生産が振るわない農村「白鶴里」に新たに赴任した里党委書記が、地域の立て直しに奮闘する様子を中心に描かれている。物語では、官僚主義や私利私欲にまみれた幹部たちの姿や、それにより深まった住民の不信感がリアルに表現されている。

ドラマはまた、幹部が「住民の真の奉仕者」となるべきだという党のメッセージを前面に押し出しており、独善的な態度ではなく、徳と情をもって人々の信頼を得るよう求めている。

この作品は、農村発展を牽引する地方幹部の模範像を提示することで、党内の規律を正す狙いがあると見られる。

北朝鮮は2021年末に「新時代の農村革命綱領」を採択し、農業生産の増強や農村住宅の建設など農村政策を推進してきた。しかし一部地域では、現場幹部の腐敗によって政策の実行が遅れているという。

これに関連し、最近は党内の不正や規律違反に対する厳しい処分が下されており、幹部の統制が一層強化されている。キム総書記も、今年1月に開催した党書記局拡大会議で「地方での飲酒接待などの幹部の不正行為は決して許さない」と厳しく叱責した。

今年は2021年に開催された第8回党大会で提示された「国家発展5カ年計画」の最終年であり、幹部に奮起を促す狙いも背景にあるとみられる。

北朝鮮がテレビを通じてドラマを公開するのは、2023年1月に中央検察所を舞台にした「ある検察職員の手記」以来、約2年ぶり。

(c)news1

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