2025 年 6月 19日 (木)
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北朝鮮、軍人6000人をロシア・クルスクへ再派遣…復旧作業に投入

北朝鮮の軍人建設者=2025年2月28日付労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮がロシア・クルスク地域の復旧作業を支援するため、工兵1000人と軍の建設要員5000人を派遣することが明らかになった。これは昨年10月の初めての派遣に続くもので、今回は「クルスクの再建」に焦点を当てた形となる。初回派遣が戦闘部隊中心だったのに対し、今回は復旧作業を目的としている点が特徴だ。

北朝鮮が民間人ではなく軍人を派遣する背景には、軍人の方が統制しやすく、北朝鮮当局にとって外貨の回収が容易であるという事情があると分析されている。

ロシアの現地メディアによると、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記とロシア国家安全保障会議のショイグ書記がこの派遣で合意した。ショイグ書記は17日、「キム総書記が地雷除去を担う工兵1000人と、破壊された社会基盤施設の復旧を担う軍建設兵5000人を派遣することを決定した」と発表した。

また、両国は戦闘に参加した北朝鮮兵士の功績を称える記念事業を開催することで合意している。

今回の訪朝では、ロシア側の参加のもと、平壌に記念館と博物館を含む複合施設の建設についても協議されたという。

ショイグ書記はこの日、プーチン大統領の特別指示を受けて平壌を訪問。今回の訪問は、6月4日の訪朝に続き、ウクライナ情勢や朝鮮半島情勢、クルスク再建事業、北朝鮮軍兵士の記念問題について協議したものとなる。

北朝鮮は建設や災害復旧、農業といった国内の主要分野に軍人を動員しており、絶対服従が求められる軍の体制を利用して経済発展を図ろうとする意図がある。特に海外派遣では、徴兵制下の軍人には給与の概念がなく、当局が外貨を取りやすいため、民間労働者よりも効率的とみられている。

過去にも北朝鮮は、自国の建設能力を誇示しつつ、密かに軍人を国外の建設現場に派遣していた。韓国の国家情報院は今年2月、昨年にロシア各地の建設現場に数千人の北朝鮮労働者が派遣されていたと明かしている。

しかし、北朝鮮の海外労働者派遣は国連安全保障理事会の決議違反にあたる。2017年9月、北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安保理は決議2375号で北朝鮮労働者への新規就労許可を禁止し、同年12月には決議2397号で加盟国に北朝鮮労働者の送還を義務付けた。

一方、北朝鮮とロシアは昨年締結した「包括的戦略的パートナー関係」条約を根拠に、今回の派遣を正当化しているとみられる。

韓国の合同参謀本部は今年3月、ロシアに昨年派遣された北朝鮮兵士約1万2000人のうち、約4000人が戦死または負傷したと明らかにした。今年1~2月にも約3000人が追加で派遣されたという。

(c)news1

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