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北朝鮮は平壌・和盛(ファソン)地区で第4段階の大規模住宅建設を開始し、新たに「超高層ツインタワー」を建設する計画を明らかにした。「現代的な」新しい街を建設するたびに登場するツインタワーは、華麗なランドマークとして住民の結束を図り、建設成果を誇示する手段として活用されていると分析される。
キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は16日開かれた和盛地区第4段階・1万世帯住宅建設の着工式で「今年の1万世帯建設事業により、2021年の第8回党大会以降に強力に推進してきた平壌市5万世帯住宅建設がいよいよ完結段階に入る」と述べた。
この演説の背後には、新たな住宅地区の完成予想図が公開され、その中心には超高層のツインタワーがそびえ立つ姿が確認された。
今回のツインタワーは、北朝鮮では珍しい「教会の尖塔」を模したデザインが特徴で、専門家の間では「一種のゴシック建築様式を取り入れている」と評価されている。
北朝鮮は昨年、和盛地区に完成した第2段階住宅エリアにも、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を象徴するツインタワーをランドマークとして建設していた。
韓国・中央大学のキム・ヒソン客員教授は「スターリン主義的なゴシック様式とまではいかないが、尖った垂直構造が特徴的で、地域のランドマークとしての役割を果たす建物だ」と述べ、「北朝鮮がこの地区を象徴的かつ特別な場所として扱っていることがわかる」と分析した。
キム総書記は演説の中で、この地区が「造形芸術性と先進文明が調和した美しく壮大な場所」になると語った。これは、キム総書記自らがデザインに関与し、政治的意義を持たせていることを示唆している。
また、他の建築デザインにも西洋的な要素が強調されているとキム・ヒソン客員教授は指摘する。「建物の外観は、金策工業総合大学、銀河科学者通り、金日成総合大学の教育者向け住宅で見られる赤レンガ仕上げが特徴で、都市景観に科学・文化の象徴性を持たせている」と評価した。
北朝鮮は新たな住宅団地を建設する際、一貫してランドマークとなる超高層ビルを建設し、これを体制の成果として宣伝している。しかし、電力問題が完全に解決されていないため、エレベーターの運行が不安定であり、住民の間では超高層住宅を好まないという声も頻繁に上がっている。
(c)news1