
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は27日、大口径放射砲兵器体系の試射現場を訪れ、「核戦争抑止力の高度化」を改めて強調し、この方針を盛り込んだ「新たな構想」を近く公表すると述べた。米国が北朝鮮の核・通常戦力に対する役割分担を示した新たな国家防衛戦略(NDS)を公表した直後の発言で、北朝鮮が「核と通常戦力の並進路線」で韓米同盟に対抗する姿勢を鮮明にしたとの見方が出ている。
労働新聞などによると、ミサイル総局は27日、新技術を取り入れた「更新型大口径放射砲兵器体系」の試射を実施した。キム・ジョンウン総書記は試射の全過程を見守り、新型兵器の性能に満足感を示しながら、「目的は明確に、核戦争抑止力をさらに高めることにある」と述べた。国防力強化は外部の核脅威に対する防御だと位置づけ、今後も一層露骨に推し進める構えを示した形だ。
キム総書記はまた、「朝鮮労働党第9回大会は、核戦争抑止力を一段と強化する次段階の構想を明らかにする場になる」と語った。党大会で新たな「核ドクトリン」を打ち出す可能性が高まった。北朝鮮は2021~2025年の「国防発展5カ年計画」の仕上げに注力してきたとされ、極超音速ミサイルの度重なる試射や、新型ICBM「火星20型」、原子力推進潜水艦建造でも一定の成果を得たとの評価がある。こうした自信を背景に、来月開かれるとみられる第9回大会で、核戦力強化を軸とする次期国防計画を示す構えだ。
キム総書記は昨年9月、電子兵器研究所を訪れた際にも、第9回大会で核戦力と通常戦力を同時に強める並進政策を提示すると言及していた。米国の核攻撃時に本土を狙う即応反撃能力(第2撃能力)を確保しつつ、韓国に対して大量の弾道ミサイルで集中打撃を加える通常戦力を厚くする戦略を描くとみられる。
専門家は、今回の試射と「核抑止力高度化」発言が、NDSの設計者である米国防総省ナンバー3、コルビー政策担当次官の来訪に合わせた点に注目する。トランプ政権が23日(現地時間)に公表した2026年NDSは、「北朝鮮抑止の一次的責任は韓国が担い、米国は決定的だが限定的な支援を提供する」と明記した。拡大抑止は維持しつつ、通常戦力による直接挑発や侵攻への対処は韓国が主体となるとの考えを示したものだ。
26日にはコルビー次官が来韓し、アン・ギュベク(安圭伯)国防相らと会談し、在韓米軍の戦略的役割の変化を強調した。こうした流れの中で、韓国を射程に収める放射砲の試射に踏み切った北朝鮮は、韓米の対北戦略転換を意識した示威であり、核と通常戦力の並進を攻勢的に進めるとのメッセージを投げかけたと解釈される。
韓国・北韓大学院大学のヤン・ムジン特任教授は「一次防衛は韓国が担うという米国の新戦略を意識し、誇示するかのように試射した」と指摘。統一研究院のホン・ミン上級研究委員も「米国のNDSに対抗し、米国の技術を無力化できることを示そうとした」と分析した。
(c)news1

