
北朝鮮が来年初めに開催予定の第9回朝鮮労働党大会で、「キム・ジョンウン(金正恩)革命思想」を党規約に明記し、キム・ジョンウン総書記に『共和国大元帥』の称号を授与する可能性があるとの見方が専門家から示された。
ソウルで12月9日開かれた国家安保戦略研究院主催「2026年の朝鮮半島情勢展望と政策課題」フォーラムに登壇した韓国・北韓大学院大のヤン・ムジン(梁茂進)碩座教授がこうした見通しを語った。
ヤン・ムジン教授は「第8回党大会(2021~2025)では、党中心の国家運営の『正常化』と核武力の完成路線を通じて、キム総書記の指導力が確立されたと北朝鮮は認識している」と述べたうえで、「次回の第9回党大会では、先代とは異なる『キム・ジョンウン時代』の独自イデオロギー路線が宣言される」との見方を示した。
また、キム総書記が提唱する「我が国家第一主義」や「人民大衆第一主義」を中心とする革命思想を党規約に明記する可能性があると指摘した。
加えて、「共和国大元帥」の称号がキム総書記に授与される可能性や、場合によっては国家体制の改編により『国家主席』の職位が新設される可能性もあるという。
「共和国大元帥」はキム・イルソン(金日成)主席のみが生前に授与された称号で、軍の最高司令官かつ国家元首の意味合いを持つ。キム・イルソン氏は1953年に元帥となり、1992年に共和国大元帥の地位に就いた。これに対し、キム・ジョンイル(金正日)総書記は死後の2012年に追贈されている。
キム・ジョンウン総書記に関しては、2022年の朝鮮人民革命軍創建90周年記念軍事パレードで、大元帥の階級章を着用していたとされるが、公式に称号が授与されたという発表は今のところない。
ヤン・ムジン教授は、9回党大会を契機に北朝鮮がキム総書記の偶像化をさらに進め、社会統制も強化していくとの見方を示した。特に▽反動思想文化排撃法▽青年教養保障法▽平壌文化語保護法――といった「三大統制法」への監視と取り締まりが一層厳しくなると予測した。
また、韓国に対する「敵対的二国家政策」も、より制度され、露骨になる可能性が高いとした。
ヤン・ムジン教授は「過去2年間にわたって維持してきた政策を、キム総書記自らが覆すことは内部の混乱や指導権威の失墜を招く恐れがある」としたうえで、「第9回党大会を通じて憲法改正を公式化し、その後、最高人民会議で実際に改憲を進める可能性がある」と述べた。
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