2025 年 1月 8日 (水)
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北朝鮮、新年の切手から「主体暦」削除…金正恩総書記の独自路線を強調か

北朝鮮が1日発行した2025年新年の切手=朝鮮郵票社(c)news1

北朝鮮が2025年を迎えて発行した新年の切手に「主体暦」が表記されなかったことが注目されている。主体暦はキム・イルソン(金日成)主席の誕生日を基準とした年号で、従来の切手や公式資料に使用されてきた。これにより、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が独自の路線を強調し、先代の影響から脱却を図る姿勢がさらに鮮明になった。

北朝鮮の切手を発行・流通する朝鮮郵票社が1日に発行した2025年新年の切手および絵はがきには主体暦が一切表記されていない。主体暦はキム・イルソン主席への崇拝を象徴するもので、キム・ジョンウン体制下での削除は今回が初めてだ。切手やカレンダーでの表記が相次いで廃止されていることから、その完全な廃止に向けた動きが進んでいるとみられる。

2025年新年の切手は、昨年5月に竣工した平壌の「前衛通り」をデザインに採用している。この地区には80階建ての高層住宅を含む4100戸の住宅が建設され、北朝鮮が掲げる「地方発展20×10」政策の象徴的な成果を反映している。同様に、絵はがきにも新築住宅への入居を祝う「新居入居式」の様子が描かれており、国家の建設事業の成果を強調している。

北朝鮮では切手が国家宣伝の重要な手段として位置付けられている。党宣伝扇動部が主導する切手事業は、前年の経済・軍事成果を誇示し、新たな政策路線を提示する役割を果たしている。また、国際的な対北朝鮮制裁の対象外であるため、外貨獲得手段としても活用されている。歴史的建造物や自然遺産をデザインした切手は観光促進や外貨収入に貢献している。

北朝鮮メディアは6日、「切手は国家の特徴を反映する証券であり名刺である」として切手の重要性を強調している。さらに、1月20日には昨年の国際大会で活躍した女子サッカー代表チームや卓球選手を記念する切手4種を発行予定であると発表した。

2025年にはキム・ジョンイル(金正日)総書記生誕83周年(2月16日)、キム・イルソン主席生誕113周年(4月15日)、朝鮮総連結成70周年(5月25日)、祖国解放80周年(8月15日)、朝鮮労働党創建80周年(10月10日)などを記念した切手の発行も予定されている。

(c)news1

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