2025 年 9月 13日 (土)
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北朝鮮、新型ICBM「火星20型」公開か…ロシア技術支援の可能性、中国の新兵器公開に呼応か

2025年9月3日、中国の抗日戦争勝利80周年閲兵式で公開されたICBM「東風(DF)-5C」(c)Reuters/news1

北朝鮮がロシアから技術支援を受けたとされる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星20型」を10月10日の朝鮮労働党創建80周年閲兵式で公開する可能性が指摘されている。中国が9月3日の抗日戦争勝利80周年閲兵式で新型ICBMを公開した流れに呼応する動きであり、朝中露の「三角連携」を象徴するものと分析されている。

党機関紙・労働新聞と朝鮮中央通信は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が立ち会うなか、ミサイル総局が「炭素繊維複合材を用いた大出力固体燃料エンジン地上噴出試験」を実施したと報道。今回の試験が9回目にして「最後の試験」とされ、開発が完了したことを示唆した。キム総書記は出発前に研究所を視察し、このエンジンが「火星19型」改良型と未公開の「火星20型」に使用されると言及していた。

北朝鮮は新型エンジン開発を公表すると1〜4カ月以内に新型ICBMを発射してきた経緯があるため、早ければ党創建記念日、遅くとも年末までに試験発射が実施されると予想される。

キム総書記は9月3日、北京で開催された中国の閲兵式に出席し、中国が「DF-5C」「DF-61」といった新型ICBMを公開する場面を直視した。閲兵式は米国を牽制する朝中露の「反米連帯」を誇示する性格を帯びていたことから、北朝鮮も「火星20型」を公開して核戦力を誇示し、米国を刺激する狙いがあるとみられる。

専門家は、今回の新型エンジンにはロシアからの技術支援が大きく寄与した可能性が高いと指摘する。炭素繊維素材を使ったエンジンは従来の金属製より軽量で、高熱にも強く、北朝鮮独自技術だけでの開発は困難だったとみられる。

もし「火星20型」が年内に発射されれば、米本土を狙えるICBM能力を誇示する北朝鮮の初の軍事的メッセージとなる。北朝鮮は「米国が核保有国としての地位を認めるまでは対話はない」と繰り返しており、今回の動きもその立場を改めて示す狙いと解釈される。

北朝鮮が最後にICBMを試射したのは2023年10月の「火星19型」で、その後は米国との関係を意識して大規模な挑発を控えてきた。だが「火星20型」の登場は、再び米国への直接的な圧力の始まりとなる可能性がある。

(c)news1

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