北朝鮮のキム・ヨジョン（金与正）朝鮮労働党副部長は19日、党機関紙・労働新聞に18日付で談話を発表し、韓国のユン・ソンニョル（尹錫悦）大統領の対北朝鮮「大胆な構想」を拒否し、「絶対に相手にしない」という立場を明らかにした。
ユン大統領は光復節の祝辞で「大胆な構想」として、北朝鮮が非核化措置を取った場合、▽発電・送配電インフラ支援▽港湾・空港現代化▽農業技術支援▽病院・医療インフラ現代化▽国際投資・金融支援――などの経済的補償を約束した。
これに対し、キム・ヨジョン氏は「大胆な構想」について「実現とかけ離れた愚かさの極み」と非難。「大胆な構想」を「イ・ミョンバク（李明博）政権の対北朝鮮政策である『非核・開放・3000』のコピーに過ぎない」と一蹴した。
また「大胆な構想」に北朝鮮の非核化を想定した経済的補償措置が明示されたことに対して「仮定からして間違っている」としたうえ「われわれの国体である核を経済協力のような物と取り換えるという発想が、まだ青臭い」と切り捨てた。
さらにキム・ヨジョン氏は「南朝鮮当局の『対北政策』を評する前に、われわれはユン・ソンニョルという人間そのものが嫌である」と名指しで批判し、「今後また、どんな派手な構想を練って戸を叩くかは知らないが、われわれは絶対に相手しない」と主張した。
今回のキム・ヨジョン氏の談話は、先月27日のキム・ジョンウン（金正恩）総書記の対南非難談話の基調をそのまま引き継いだ形だ。金総書記は、ユン大統領を名指しして強い非難を加え、キム・ヨジョン氏も実名で強く批判した。
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