2025 年 10月 23日 (木)
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北朝鮮、党創建80周年の閲兵式は過去3番目の規模…「精密打撃兵器」を誇示

北朝鮮が10月10日に開催した朝鮮労働党創建80周年記念閲兵式=労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮が10月10日に開催した朝鮮労働党創建80周年記念閲兵式は、米韓のミサイル・防空能力に対抗する「精密打撃用兵器」の誇示に焦点を当てたものだった――こんな分析が発表された。

韓国・統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室上級研究委員は報告書「北朝鮮党創建80周年閲兵式分析」で、閲兵式の参加部隊と全体規模が「歴代で3番目」に当たると指摘した。

今回の閲兵式には徒歩部隊60個、機械化部隊12個の計72個部隊が参加。徒歩1部隊あたり288人構成とすると、総勢1万7280人、車両部隊を含めると約1万8000人に達すると推定される。

最大規模だった2017年4月15日の85個部隊に次ぎ、2022年4月25日の朝鮮人民革命軍創建75周年閲兵式(72個部隊、約2万人)とほぼ同規模で、歴代3番目の規模とみられる。

今回初めて「狙撃兵部隊」が登場した。彼らは赤外線探知やドローン監視を回避できる「ギリースーツ」を着用していた。また、国防科学院の行進隊も初登場し、同院のキム・ヨンファン中将が旗手を務めた。

兵器の登場数自体は前回より少なかったが、「国防力発展5カ年計画」の最新成果を凝縮して披露した。中でも目を引いたのは、核弾頭搭載が可能な短距離弾道ミサイル(SRBM)、地上発射・海上発射型の戦略巡航ミサイル、極超音速巡航ミサイル、中長距離極超音速ミサイルなど、いわゆる「精密打撃兵器」だった。

さらに閲兵式では、新型の「22連装放射砲(多連装ロケット砲)」が公開された。従来の240mm型より口径が大きく、発射管は短くなっており、弾頭重量や射程、誘導機能を改良した新型ロケット砲である可能性が高いという。

ホン・ミン氏は、今回の閲兵式で最も「論争的」だった兵器として「火星-11マ」を挙げた。このミサイルは、既存の戦術誘導弾「火星-11カ」(KN-23、北朝鮮版イスカンデル)に極超音速滑空体(HGV)型の弾頭を装着した短距離弾道ミサイルの派生型とみられる。

彼は「短距離弾道ミサイルに極超音速技術を融合しようとする試み」と分析し、「『火星-11マ』を通じて北朝鮮は戦術的な迎撃回避能力を強化したという心理的・戦略的メッセージを発している」と述べた。

また、これらの兵器は「朝鮮半島有事の戦域や在日米軍、グアムなど米軍戦略拠点に対し、迎撃を回避しながら精密打撃を加える兵器」であり、北朝鮮が対米抑止力の核心と位置づけていると分析した。

これにより、米海軍の空母や艦隊、韓米連合のミサイル・防空システムに対抗する能力を誇示しようとしたほか、先制・報復打撃、海上拒否(A2/AD)、航空拒否能力をアピールする狙いもあったとみられる。

キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は就任以来、計15回の閲兵式を開催しており、そのうち夜間閲兵式は2020年以降今回までで8回に上る。これはキム・イルソン(金日成)時代(20回)、キム・ジョンイル(金正日)時代(10回)と比較しても最多であり、在任期間比では歴代最高頻度の閲兵式開催となる。

(c)news1

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