2026 年 1月 29日 (木)
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北朝鮮、グリーンランド問題で米・NATOの亀裂を強調…米国を名指しせずに追い詰める“間接攻撃”

デンマーク領グリーンランドの首都ヌークの海岸に翻る国旗(c)AFP/news1

北朝鮮が、トランプ大統領が提起したグリーンランド問題を集中的に取り上げ、米国と北大西洋条約機構(NATO)の間に生じる亀裂を強調する報道を強めている。直接的な対米非難は避けつつ、欧州首脳や欧州連合(EU)、西側メディアの発言を大量に引用する手法で、同盟内部の分裂を浮き彫りにする「間接的な攻勢」だとの見方が示されている。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は25日、「グリーンランド問題を巡って生じた西側諸国間の矛盾が、より深刻な段階へと進み得るとの主張が各国で相次いでいる」とし、「欧州の高位人物が、米国のグリーンランド併合の試みに公然と反旗を翻している」と報じた。

同紙は、デンマーク首相が米国の購入・併合論に対し「他国やその国民を物のように扱ってはならない」「圧力で他国と国民を手に入れようとする発想は時代遅れだ」と批判したと伝えた。さらに、欧州連合の欧州委員会委員長が「法は力より強い」と述べ、デンマークとグリーンランドの領土主権尊重を求めたこと、欧州理事会議長が「当事者不在で決められる問題ではない」と米国の領土的野心を非難したことも紹介している。

西側メディアの評価も積極的に引用した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「グリーンランド併合に抵抗する欧州諸国に対する米国の圧力が、西側同盟を過去最大の危機に追い込んでいる」と報じたとし、事態が「予測不能な方向へ進み、破局的な結果を招きかねない」との専門家分析も伝えた。

こうした報道は、軍事・外交面での直接対峙を避けつつ、情報戦・宣伝戦を通じて西側同盟の内部対立を住民に刷り込む狙いがあるとみられる。米国への直接的な非難を抑え、欧州首脳やEU高官、西側報道の言葉を借りる手法は、対米摩擦を最小限にしながら、米国の「不当性」を際立たせる効果を狙ったものだとの分析だ。

北朝鮮はこれに先立ち、ベネズエラ情勢の初期段階では米国の空爆を「主権侵害の最も深刻な形態」と強く非難したが、15日以降は関連報道を事実上停止した。一方、1月に入ってからはグリーンランド問題を軸に、米欧の対立構図を連続的に報じている。

7日にはデンマーク防衛情報局の年次報告を引用し、米国を「史上初めて潜在的な安全保障上の懸念国」と位置付けたと紹介。続いて欧州の世論調査や西側報道を引き、「米国を信頼できず不安定要因と見る認識が広がっている」と報じた。

8日にはEU報道官の発言を引き、デンマークとグリーンランドの主権尊重を強調。15~16日にはデンマーク国会防衛委員長、ドイツの国防・外相、グリーンランド当局の声明を相次いで引用し、米国の「併合野心」を批判した。

さらに17日には「悪化する同盟関係」と題し、米欧同盟の揺らぎを強調。18~20日にはロシア高官や米議会内の反対意見まで取り上げ、米国内と西側同盟内部の亀裂を同時に浮き彫りにした。22日以降も、欧州世論調査、フランス大統領の発言、EU指導部の声明を相次いで紹介し、「米欧関係が第二次大戦後で最も深刻な危機に直面している」との外部評価を前面に押し出している。

(c)news1

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