
2025年の北京国際図書展(BIBF)で、北朝鮮の書籍や記念品を販売するブースが設けられたことが確認され、注目を集めている。BIBFは各国の出版社と読者が情報を共有し、出版権が売買される国際的なイベントであり、文化関連の記念品販売も恒例となっている。
BIBF公式サイトによると、6月18日から5日間にわたり開催された今年の図書展には、北朝鮮の国営出版社「外国文出版社」が参加し、文学作品、雑誌、全集などの基本情報が紹介され、メールで直接問い合わせできるリンクも掲載されている。
展示書籍には、北朝鮮が2024年に「二国家論」を宣言後に廃刊されたとされる「統一新報が出会った人々」も含まれていた。これはかつて存在した祖国平和統一委員会傘下の機関紙で、北朝鮮の統一政策を対外的に宣伝するメディアだった。ただBIBF公式サイト上には今も記載が残っており、情報が更新されていない可能性がある。
中国のSNS「小紅書」には、北朝鮮ブースの写真付き投稿も登場し、そこには中国語訳の月刊誌「朝鮮」や「金日成・金正日全集」「朝鮮の陶磁器」「朝鮮の建築物」「金剛山」といった観光ガイドブック、記念切手などが並べられていた。中でも2024年の中朝国交樹立75周年を記念して制作された切手がPRされていた。
また、記念品販売スペースでは、北朝鮮の陶磁器、開城高麗紅参生姜茶、北朝鮮国旗の徽章(バッジ)、絵画なども販売されていた。
この図書展には韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)も参加し、韓国産のフルーツフレーバーの焼酎やマッコリなどを出展しており、偶然にも来場者は南北文化を同時に体験できる機会となった。
BIBFは1986年から隔年で始まり、2002年以降は毎年開催されている。北朝鮮の出展は新型コロナウイルス感染拡大以降初となる。
北朝鮮と中国は2022年から2024年にかけて、北朝鮮とロシアの関係が深まる中でやや距離を置く姿勢を見せていたが、2025年に入り再び関係改善に努める動きがみられる。外交当局間の高官対話が再開され、中国側が北朝鮮との友好を象徴する地域を再評価するなど、友好ムードが演出されている。
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