
ソウル市冠岳区の小型ピザフランチャイズ店舗で9月初め、フランチャイズ本社幹部とインテリア業者ら3人が死亡する刃物事件が発生した。背景には、過酷なフランチャイズ本社の収益構造と加盟店主への一方的な費用転嫁があるとの指摘が強まっている。
大手ピザフランチャイズでは、店舗のインテリアや設備費用が1億~2億ウォンに達し、ブランドイメージ(BI)の変更があれば看板交換費に2000万~3000万ウォンが必要となる。さらに毎月、純売り上げの6%をロイヤルティ、5%前後を広告分担金として納めなければならず、リニューアル費や備品交換費もすべて加盟店の負担だ。
加えてモバイル商品券や各種クーポン、簡易決済の手数料が数%単位で引かれるため、月売り上げが1億ウォンでも加盟店主の取り分は300万ウォン台にとどまるという。
事件が起きたAフランチャイズ本社は、開業時に厨房機器などで5000万~6000万ウォンを加盟店から徴収していた。店主家族によれば「指定業者による工事で水漏れやタイルの破損が多かった」「新メニュー導入を強要された」と証言している。本社は全国に約100店舗を展開し、売り上げは2022年の31億9800万ウォンから2024年には85億800万ウォンへと倍増した。
ソウル市のデータでは、2024年の市内フランチャイズ開業平均費用は1億1300万ウォンで、そのうちインテリア費が45.6%を占めた。本社指定業者を通じて4~5年ごとにリニューアルを義務化され、その費用の50~100%を店主が負担するのが常態化している。
公正取引委員会の情報公開資料によれば、多くのピザやチキンフランチャイズは本社指定業者を通じて高額のインテリア費や設備費を徴収している。B社ではインテリアや厨房・ホール設備などで6000万ウォン以上が必要で、加盟金約1000万ウォンの6倍にあたる額を本社経由で払わなければならない。
C社の事例では、食材や副資材など30項目以上の手数料を加盟店に課しており、支払いが遅れれば年利18~20%の延滞金が発生する。2000万ウォンのインテリア費を滞納すれば、年間400万ウォンの利息が上乗せされる計算だ。
加盟店の経営を圧迫しているのは、配達アプリの手数料ではなく本社への支払いだという調査もある。ソウル市が186店舗を分析した結果、営業費用の最大項目は本社が供給する原材料費(49.5%)で、配達アプリ手数料の比率は10.8%にすぎなかった。
また、国会政務委員会のキム・ナムグン議員(共に民主党)が公正取引委員会から入手した資料によると、主要6社の2020~2022年の平均流通マージンは加盟店あたり12.9%(6529万ウォン)で、最大の会社は17%を徴収していた。市場で10万ウォンで買える食材を、本社の設定価格では11万7000ウォンで購入せざるを得ない計算になる。
専門家は「フランチャイズ本社の過度な流通マージンや一方的な費用強要が加盟店の経営難を深刻化させている」と指摘し、「不公正な慣行への制裁にとどまらず、本社と加盟店間の費用構造そのものを根本的に改善する必要がある」と強調している。
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