2026 年 3月 11日 (水)
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副産物まで徹底回収…韓国・高麗亜鉛温山製錬所、世界唯一の「三工程統合」で戦略鉱物を量産

温山製錬所(c)news1

韓国の非鉄金属大手・高麗亜鉛が運営する温山製錬所(蔚山)は、亜鉛・鉛・銅の三つの製錬工程を一体化させた世界でも例のない施設として注目を集めている。副産物を再処理して貴金属や戦略鉱物まで回収する独自技術により、高い収益性を確保しているのが特徴だ。

温山製錬所のキム・スンヒョン所長は「亜鉛、鉛、銅の工程が統合された製錬所は世界でもここだけだ。中間副産物を制御する高度な技術によって三つの工程を結び付け、他社より高い営業利益を生み出している」と語る。金属回収率は世界最高水準で、亜鉛では最大約99%に達する。

通常、鉱石には目的の金属以外にも複数の金属が含まれる。亜鉛鉱石には亜鉛のほか鉛や銅なども含まれるが、多くの製錬所では主金属のみを抽出し、残りは副産物として処理する。一方、高麗亜鉛では副産物を別の工程に回して再処理する仕組みを構築し、金属の回収率を極限まで高めている。金所長によると、この統合工程は約20年前に確立されたが、中国を含む他国では同様の取り組みはほとんど見られないという。

温山製錬所の外観は、溶けた金属が流れる製鉄所というより石油化学コンビナートに近い。複数の工場がパイプラインで密接につながり、工程間で副産物を循環させる構造になっているためだ。内部は高度に自動化され作業員は少ないが、外部では原料や副産物、製品を運ぶ車両が絶えず行き交う。姜基泰責任者は「工場が近接していることで工程間の相乗効果が生まれる。離れると効率が落ちる」と説明する。

同製錬所では亜鉛鉱石や鉛鉱石に加え、銅や銀を含む電子廃棄物も原料として使用する。亜鉛・鉛・銅といった基礎金属のほか、金や銀などの貴金属、さらにインジウム、ビスマス、アンチモン、カドミウム、テルルなどの戦略鉱物も生産している。例えばインジウムは、亜鉛鉱石を高温処理して硫黄を分離した後、硫酸溶液で浸出した副産物から抽出する。電子素材チームの責任者は「原料が当チームに届くまでに4~5工程を経る。工程が網の目のようにつながるためロスが少なく、さまざまな金属を生産できる」と語る。

副産物から回収される戦略鉱物は、近年の国際的なサプライチェーン再編の中で重要性を増している。韓国企業で唯一生産するアンチモンは、地政学的緊張の高まりを背景に価格が急騰したこともある。

同社は戦略鉱物の生産拡大を進める方針で、2028年からゲルマニウム年産12トン、ガリウム年産15トンの生産を目指す。設備投資はゲルマニウム関連に1400億ウォン(約154億円)、ガリウム関連に557億ウォン(約61億円)を投入する計画だ。さらにビスマス工場の拡張にも300億ウォン(約33億円)を投じる。

(c)news1

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