2025 年 5月 2日 (金)
ホーム政治前韓国大統領ファーストレディの携帯電話を押収…開通から20日の新型機、パスワード解除困難か

前韓国大統領ファーストレディの携帯電話を押収…開通から20日の新型機、パスワード解除困難か

2025年4月30日午後、捜索を受けるソウルのアクロビスタ(c)news1

シャーマン「乾真法師」として知られるチョン・ソンベ被告が関与したとされる不正請託疑惑を捜査している韓国検察当局は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の私邸と、妻キム・ゴニ(金建希)氏の運営していた企業「コバナコンテンツ」事務所などを家宅捜索し、関連資料を確保した。

取材を総合すると、ソウル南部地検の暗号資産犯罪合同捜査部は4月30日、ソウル市瑞草区のアクロビスタとコバナコンテンツの事務所を家宅捜索し、キム・ゴニ氏の携帯電話と予備機(いわゆる空き端末)を押収した。

検察が押収した携帯電話は、使用開始からわずか20日ほどしか経過していないiPhone 16モデルとされている。キム・ゴニ氏は、先月4日にユン氏が大統領を罷免された直後からこの携帯電話を使い始めたという。

検察は、2022年に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の幹部とチョン被告が、キム・ゴニ氏に対し請託目的で英高級宝飾ブランド「Graff」のダイヤモンドネックレス、シャネルバッグ、高麗人参酒などを渡したとの疑惑を調べている。ユン氏とチョン氏は不当な利益提供の禁止などを定めた「請託禁止法(キム・ヨンラン法)」違反の容疑をかけられており、キム・ゴニ氏は参考人として捜索に応じた。

検察は、幹部が統一教会のカンボジア関連事業などにおいて、韓国政府の政府開発援助(ODA)支援を得ようとした過程で、チョン氏を介して贈り物を手渡し、ユン・ソンニョル氏との接点を模索したとみている。

このため検察は今回の捜索令状において、押収対象となる物品として100点以上のリストを記載していたという。しかし、キム・ゴニ氏に渡されたとされるネックレス、シャネルバッグ、高麗人参酒といった物品は押収できなかったとされる。

検察は今後、押収した携帯電話などの電子機器に対し、デジタル・フォレンジック(電子鑑識)を実施し、通話履歴や通信内容などを分析して、贈り物が実際にキム・ゴニ氏へ届けられたのかを確認する。

ただ、押収された携帯電話はほとんど未使用に近い新機種であるうえ、パスワードが設定されている場合は解除が難しいiPhoneシリーズであることから、今後の捜査で決定的な証拠を得るのは難しいとの見方も出ている。

(c)news1

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