韓国で最近、麻薬関連犯罪が増えていることと関連し、刑罰の軽さが影響を及ぼしているのではないか、という指摘が出ている。
初犯の場合、概して執行猶予にとどまる。同種の前科があっても、執行猶予で釈放される事例がある。立法により、処罰規定を強化すべきだとの声が高い。
最高裁が発刊した司法年鑑統計によると、2021年に麻薬類管理に関する法律違反の疑いで計5468件の1審判決があった。このうち実刑判決は2624件(48.1%)で半分にも及ばなかった。実刑宣告の比率は2019年53.7%、2020年50.6%で減少傾向を示した。逆に執行猶予で釈放される比率は2019年36.3%、2020年38.1%、2021年39.8%に増加した。
ヒロポンを使用した疑いなどで起訴された有名作曲家ドン・スパイク被告の事件が「軽い処罰」の代表的事例として挙げられる。過去に大麻など麻薬の前科3回があった彼は、2021年末からヒロポンを4500万ウォン分14回使用した罪により、1審で有罪判決だが、執行猶予がつけられた。
◇罰則強化の必要性
検察も今月6日、ソウル高裁で開かれたドン・スパイク被告に対する控訴審の裁判で「量刑が軽い」という点を指摘した。「被告が犯行を繰り返し、3000回以上使用できる量のヒロポンを買った。大衆に及ぼす影響力が大きい芸能人である点などを考慮すると執行猶予は軽すぎる」
法曹界のある関係者は「麻薬類犯罪は、前科がなければ執行猶予を宣告される場合がほとんどだ。ドン・スパイク事件の場合、麻薬前科があるにもかかわらず、比較的低い量刑だ」と強調する。
量刑の基準そのものが軽いという指摘もある。
基本的な刑量を見ると、使用と単純所持は懲役6カ月、売買・斡旋が8カ月、輸出入と製造は懲役10カ月――から始まる。量刑委員長のキム・ヨンラン氏は「麻薬類犯罪の量刑基準を全般的に再検討する必要がある」として改正する方針を明らかにした。
他人の使用に対する加重処罰が容易ではないという問題もある。
現行の麻薬類管理に関する法律は、麻薬類の自己服用・流通・取引・所持に焦点が当てられている。自ら麻薬類を使用する行為と他人に強制的に麻薬類を使用する行為を別に処罰する規定がない。
ある国会関係者は次のように訴える。
「麻薬類犯罪が年齢を問わず発生し、他人に使用する新型タイプが現れるなど多様化している。罰則強化に向け、立法・政策的に検討すべきだ」
(つづく)
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