
「天使たちを連れてくるね」と分娩室に入った妻が脳に障害を負い“4歳児の知能”で戻ってきた――。そんな妻を6年にわたり介護し続ける30代の夫の壮絶なエピソードはがJTBCの番組「事件班長」で取り上げられた。
夫は大学時代から付き合っていた妻と結婚。体外受精に踏み切って双子を授かった。妻は妊娠中も健康で、出産直前まで何の異常も見られなかった。しかし、分娩室に入った約40分後、妻は大量の出血とともに意識不明の状態で運び出された。医師からは「分娩中に心停止し、非常に危険な状態」と告げられた。
双子の娘は健康に誕生したが、妻はその後1カ月近く意識を失ったままだった。夫は娘たちを両親に預け、病院で妻の回復を祈りながら付き添った。奇跡的に妻は意識を取り戻したが、脳が深刻なダメージを受け、知能は4歳程度にまで低下していた。
夫は仕事を辞めて一人で介護した。妻には認知症の症状も見られ、豪雨の真夜中に道路で寝転んだまま排せつして泣いていたこともあった。
ある日、妻の出産当日の医療記録を確認していた夫はがくぜんとした。心停止から15分以上も心肺蘇生が施されていなかったと記録されていたのだ。医療過誤の可能性を指摘すると、病院側は「問題ない。訴訟したければすればいい」と言い放った。
夫は現在、多額の借金を抱えて破産寸前の状態にあり、訴訟を起こす費用もおぼつかない状態だ。補償制度も「母親の死亡」または「新生児の重度障害」に限定されており、妻のようなケースには適用されなかった。
周囲からは妻を障害者施設に預けるよう勧められることもあるが、夫は「絶対に預けるつもりはない。どうしても妻を守りたい」と断言。視聴者からは「言葉も出ない」「こんなに強い愛があるのか」という声が上がっている。
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