
韓国で合計特殊出生率が0.8へと回復し、2年連続の上昇が見込まれる中、その流れを主に支えたのは、30代中後半で中位所得以上、安定した職に就く女性だとの分析が示された。
低出生・高齢社会委員会の研究委託で、ケ・ボンオ国民大学教授の研究チームがまとめた報告書「最近の出生率反転の主な特徴と要因分析」によると、所得上位30%層の合計特殊出生率は、2023年の0.84から2025年には0.95へ上昇したと推計された。研究チームは、2006年から2025年6月までの国民健康保険公団の行政データを用い、出生率回復の特徴と要因を実証的に分析した。
報告書では、30代以降の出生率が2024~2025年にかけて上向いた点が確認された。とりわけ35~39歳女性の高所得層で伸びが顕著だった。35~39歳の等価世帯所得上位10%層では、出生率が2023年の100人当たり6人から、2025年には100人当たり8人水準へと約33%増えた。
所得と出生率の関係はU字型の傾向を示した。低所得層と高所得層の出生率が相対的に高く、中間所得層が最も低い。所得下位10~30%層の合計特殊出生率は1.0~1.2と全国平均を上回り、所得上位10%層も0.9~1.0を維持した。一方、所得40~60%の中間層は0.6~0.7にとどまり、最も低かった。
加入形態別では、健康保険の職場加入者の出生率が地域加入者を全体的に上回った。職場加入者は育児休業や出産休暇など法定の福利厚生を利用できるためとみられる。地域加入の世帯主と比べると、職場加入者の出生率は83.3%、職場加入の被扶養者は52.7%高いと推計された。
韓国政府の支援策では、新生児特例住宅ローンが中位所得以上の層の出生率上昇に寄与したと評価された。政府は2024年1月から新婚世帯に最大4億ウォンの低利住宅購入ローンを提供しており、この時期が所得上位30%層と30代女性の出生率が大きく伸びた時期と重なる。もっとも、低所得層では所得・信用要件のハードルや返済負担から、制度の活用が限定的だった可能性がある。
報告書は「出生率回復の中核的な原動力は、単なる婚姻数の増加ではなく、既婚女性の出産意欲の高まりにある」と指摘した。その上で「政策恩恵が特定の層に集中し、有配偶率は下がり続けている。より包摂的で持続可能な少子化対策が求められる」と結論付けた。
(c)MONEYTODAY

