2025 年 9月 19日 (金)
ホーム社会出勤前はクラブではなくカフェへ…モーニングコーヒー片手に揺れるZ世代

出勤前はクラブではなくカフェへ…モーニングコーヒー片手に揺れるZ世代 [韓国記者コラム]

インスタグラム(c)MONEYTODAY

DJとダンスフロア、そして盛り上がるEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)は、夜遅くのクラブから日差しの良いカフェへと場所を移した。エスプレッソマシンの横に陣取ったDJがかける音楽に合わせて、人々はそれぞれ手にコーヒーや抹茶ラテを持って体を揺らしている。最近のトレンドとして注目されている「コーヒーレイヴ(coffee rave)」だ。

レイヴとは音楽とダンスを中心にした熱狂的なクラブパーティーを意味する。最近ではこのレイヴ文化が、酒やクラブの代わりにコーヒーやカフェといった場所や形式に変化し、新たな形へと拡張されている。

すっぴんで片手にコーヒーを持った人たちが、真っ昼間のカフェに集まってクラブ音楽に合わせて踊る――これは一見すると奇妙に思えるかもしれない。しかし、コーヒーレイヴはレイヴ文化から酒を除いた、音楽、社交、熱量といったポジティブな要素をZ世代(1990年代半ばから2010年代前半の生まれ)の志向に合わせて再解釈したものだという分析がある。この真昼のパーティーは、思いがけない出費や二日酔いの後悔を残さず、楽しく健康を意識する「ヘルシープレジャー(healthy pleasure)」を追求するZ世代のライフスタイルと自然にマッチするという。

香港でコーヒーレイヴを主催する「ソーシャルクラブシリーズ」のアイザック・ウー・シウヒンは、最近、現地の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)で「クラブに行くたびに酔っぱらって、翌日は何もできない。昼間にパーティーを開けば、その後、夕食も食べられるし、早く家にも帰れる。ずっと健康的なライフスタイルだ。香港の多くの人たちも、そういうのを求めていると思う」と述べた。

アクシオスによると、こうした流れを本格的に始動させたのは、2024年に米ロサンゼルスで始まったポップアップ形式の朝のパーティーシリーズ「AM RADIO」だ。「AM RADIO」を最初に企画したスティーブ・カーディガンは、2024年11月にInstagramのリールで「クラブ文化は死にかけている。これからはLAのカフェでパーティーを開く」と語り、新しい朝の文化を予告した。

彼のこの宣言は、すぐに世界中のZ世代にとって新鮮で“イケてる”ものとして受け入れられた。いわゆるトレンドの最先端を行くカフェが、AM RADIOのポップアップイベントを開催し、一部のカフェは独自に同様のイベントを開いた。さらに、音楽・ランニング・アートなど共通の関心ごとでつながるコミュニティグループやアスレジャーファッションブランドも、スペースを借りてコーヒーレイヴを開催するなど、活動の幅を広げていった。

オーストラリア・シドニーで活動する「メープルソーシャルクラブ」も、AM RADIOに影響を受けて生まれたグループだ。主催者のテイラー・グウィダーは最近、英紙ガーディアンで「アルコールを避ける傾向が明らかに出てきている。そうした流れがこの種のイベントの人気を後押ししているようだ」と話した。実際、Z世代の間では「社交のためにお酒は必須」という考えが薄れ、個人の嗜好やライフスタイルを尊重する文化が広がっている。

さらにグウィダーは「こうした無料イベントは、ランニングクラブのようにただ走るだけでなく、人々がつながり、経験を共有する機会を提供する。コロナ禍で社会的活動が制限されて孤独感が高まった。人々が活気ある出会いを持てる場所と体験を提供するのが私たちの目的だ」と付け加えた。

コーヒーレイヴが無料イベントとして開催されている点も、若者層の参加を引きつける魅力的な要素とされている。メープルソーシャルクラブが主催したコーヒーレイヴに参加したオーストラリアの看護師ブロンテ(30)は「近くのパブでビールを1杯飲むには12豪ドル(約1175円)かかる。でも、ここでは5豪ドル(約490円)でコーヒーが飲めるし、飲み物をまったく頼まなくても構わない。正直、最近お金に余裕のある人なんてどこにいるの?」と語った。【MONEYTODAY ユン・セミ記者】

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