
冬の風物詩として人気の大ブリが、韓国で「マグロより高い」と話題となっている。背景には海水温の上昇や異常気象があり、消費者の負担が急増している。
ソウル・鷺梁津(ノリャンジン)水産市場の卸売価格によると、12月16日時点の日本海産ブリの1kgあたり価格は3万5100ウォン(約4000円)で、前年同期比で156%増加している。
小売価格は卸価格の1.5~2倍に設定されることが多く、一皿5万ウォン(約5700円)以上で販売されるケースも珍しくない。
インターネット上では、「配達アプリでも最低5万ウォンから」「クオーター制で売っている店もある」「マグロより高くてびっくり」といった声が相次ぎ、価格高騰への戸惑いが広がっている。
水産業界は、この急騰の主因として気候変動による供給不安定を指摘する。
特に2025年の夏は猛暑と高水温、赤潮が長期間にわたり続き、韓国南部の養殖業が打撃を受けた。加えて、冬場にも海水温が例年より高く、ブリが沿岸に接近しづらい状況が続いているという。
ブリは通常、水温が下がることで沿岸に回遊し、漁獲量が増える魚だが、季節ごとの水温パターンが崩れたことにより漁が不安定になっている。
国内供給の減少により輸入品への依存が高まっているが、日本産ブリも現地の不漁や気候変動の影響で価格が上昇しており、全体的な供給圧迫が続いている。
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