2024 年 12月 27日 (金)
ホーム政治再び向かい合った日韓…「見える成果のために第一歩を踏み出した」

再び向かい合った日韓…「見える成果のために第一歩を踏み出した」

21日、ニューヨークのホテルで向かい合う岸田文雄首相(右)とユン・ソクヨル大統領©news1

日韓首脳が2年9カ月ぶりに向かい合った。韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が21日、米ニューヨークで岸田文雄首相と言葉を交わし、日韓関係改善への手探りが始まった。

日韓間で2019年12月、当時の安倍晋三首相とムン・ジェイン(文在寅)大統領が会談して以来、首脳会談は開かれてこなかった。

今回の両首脳の対面を韓国側は「略式会談」と位置づけて「2年9カ月ぶり」の首脳会談と位置づけている。ただ、日本側は「初めての懇談」と表現し、慎重な姿勢を取っている。大統領室関係者は「略式会談だが首脳会談だ。略式で進められたという意味だ」と説明している。

通常、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議や国連総会のような多国間会議の合間に首脳が対面する「2国間会談」は30分ほどの略式会談の形で進められることが多い。事前に議題を決めていない場合もある。一般的な首脳会談が単独会談や拡大会談、共同宣言文の発表などの手順を踏むのとは異なる。

◇開催まで紆余曲折

今回の首脳の対面は紆余曲折を経た。大統領室は当初、「日韓首脳会談開催」を発表して「快く合意した」と明らかにする一方で、日本メディアが「一方的な発表に日本側が不快感を抱いている」と報じたこともあり、会談開催は当日まで公式に確認されてこなかった。

日韓両国は水面下の接触を続け、激しい神経戦とともに2国間会談の実現に向けた意思疎通を続けた。大統領室は英国、米国、カナダの5泊7日間の歴訪に突入し、開催の可否と会談形式などへの言及を自制して「ノーコメント」を続けてきた。

当日午前まで、大統領室関係者は現地ブリーフィングで会談について「進展があれば、すぐ説明する」とだけ伝えていた。結局、事前発表はなく、開催直後に「これから始める」と知らせた。

ムン・ジェイン(文在寅)前政権で急激に冷え込んだ両国関係を考慮すると、日韓首脳が向き合うだけでも、相当な意味がある。元徴用工問題の解決を巡り、日本側の反発が激しい状況で、今後、両国が突破口を開くことができるか注視する必要がある。

大統領室関係者は「目に見える成果を出すために両首脳が会って第一歩を踏み出した。日韓間にさまざまな葛藤が存在するにもかかわらず、解決に向けた第一歩を踏み出したということだ。大きな意味がある」と振り返った。

ユン政権は未来志向的な日韓協力関係の復元に力を入れてきた。会談自体が今回の歴訪の成果といえる。ただ、実質的な問題解決までは越えなければならない山は多い。

©MONEYTODAY

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