最近の円高の動きにより、韓国の中小インディブランドを中心に対日輸出の増加が見込まれている。K-ビューティの人気に支えられ、日本の美容市場を牽引するインディブランドは、今年上半期に好成績を収め、第三四半期の業績も期待されている。同時に化粧品ODM企業(化粧品受託製造企業)であるコスラックスや韓国コルマも恩恵を受けると予測されている。
現在の円・ウォン為替レートは100円が920ウォン前後(16日時点)を推移している。先月は850ウォン程度だったが、今月初めには950ウォンを超えた。
円高の流れを背景に、VTコスメティックスや魔女工場(マニョファクトリ)、クーダイグローバル(朝鮮美人、TIRTIRなど)の代表的なインディブランドの対日輸出実績にも明るい兆しが見られる。VTコスメティックスは今年の第二四半期、連結ベースで売上高1134億ウォン(約120億円)を記録し、前年同期比で52%の増加を達成した。営業利益は270億ウォン(約29億円)で131%の増加となり、過去最高の四半期業績を更新した。このうち、日本での売り上げは331億ウォン(約35億円)だった。越境ECチャネル(Qoo10、楽天)は178億ウォン(約19億円)、オフラインチャネルが153億ウォン(約16億円)を記録し、日本市場における成績は四半期ごとに最高記録を更新している。
VT関係者は「今年下半期にはオフラインチャネルをさらに拡大し、リードルショット専門店への転換が本格化する。日本全土でバラエティショップやドラッグストアへの出店が計画されている」と述べた。さらに、「リードルショット製造会社であるENCの株式を取得し、化粧品事業を強化する。第三四半期にはVTキューブジャパンの株式を取得し、日本の子会社化にすることで化粧品事業の垂直統合を完成させる」としている。
魔女工場も日本市場で好成績を収め、第二四半期の売上高は366億ウォン(約38億円)で前年同期比46.7%増加、営業利益は83億ウォン(約9億円)で157.7%増加した。同社は現在、6303種の製品をオン・オフラインで展開している。魔女工場の関係者は「日本の大手オンラインモール『楽天』で販売1位を獲得しており、現地での人気を基に下半期には新たなオフラインチャネルへの出店と販路拡大に注力する」と語った。
中小インディブランドの成長を背景に、製造会社のコスラックスと韓国コルマの下半期業績の見通しも明るい。両社は、現在、協力顧客の受注増加と新規輸出依頼が増えていると発表している。コスラックスの協力企業は現在3300社、韓国コルマは3800社に達している。
ハナ証券のパク・ウンジョン研究員は「コスラックスは中堅・インディ・グローバル顧客への受注拡大と稼働率の上昇により、四半期最大の売り上げを記録した。第三四半期には低下したコンセンサスに合致した実績が期待される」と述べた。また、「魔女工場はオフライン店舗ごとの売り上げが増加傾向にあり、下半期には新たなチャネルへの出店が予定されている。今年の売上高は1300億ウォン(約137億円)で前年比26%増、営業利益は233億ウォン(約25億円)で前年比47%増加する」と予測している。
一方、新韓投資証券のパク・ヒョンジン研究員は「化粧品OEM業界は好況にあり、日焼け止め市場で独占的な市場シェアを持ちつつ、生産効率改善が進んでいる。下半期にも利益率の向上が期待される」と展望した。
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