内視鏡検査直前、患者に落ち着いた雰囲気の仮想現実(VR)画面を見せると、不安感が消えるという研究結果が出た。延世(ヨンセ)大学江南セブランス病院の消化器内科のパク・ヒョジン、キム・ユナ教授チームがこうした成果を延世医科大学総合学術誌に掲載した。
最近、健康診断や胃腸疾患の治療のための内視鏡検査が増えている。切除手術ではないが、検査前に不安と恐怖を訴える人が少なくない。
内視鏡検査前に不安が高まると生理的ストレスが増加し、患者の満足度はもちろん回復速度にも影響を及ぼす。
この場合、内視鏡検査時に投与される鎮静剤の用量を増やすことになるが、これは低血圧、呼吸抑制などの合併症を誘発する要因になりうる。
研究チームは、内視鏡検査に先立ちVRによる不安解消研究を実施した。病院の消化器内科で内視鏡検査に臨む40人の患者をそれぞれ20人ずつ内視鏡検査直前にVRを見たグループと見なかったグループに分けた。
VRを見るグループには庭園、海辺、自然の音とともに水中シーンなどを3~5分程度の映像を検査直前に視聴させた。投薬された鎮静剤の量を調査し、検査前後の不安度、痛みの程度、検査満足度などを調査した。
その結果、不安度45点以上の「高い不安」を示す患者の割合が、非視聴グループでは検査直前の35%から50%に増加した半面、VR視聴グループでは10%減少した。
パク・ヒョジン教授は「VRのような非薬物的ツールを使えば副作用を減らし、患者満足度を高めることができる。今回の研究はVRの鎮静効果を確認した先行研究段階」と述べた。
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