2024 年 12月 31日 (火)
ホームエンターテインメント兵役逃れ韓国系米国人歌手「ビザ訴訟」勝訴したが…韓国入国まで難関続く

兵役逃れ韓国系米国人歌手「ビザ訴訟」勝訴したが…韓国入国まで難関続く

2003年に韓国に入国した当時の歌手ユ・スンジュン氏(c)news1

韓国系米国人の歌手兼俳優ユ・スンジュン(米国名スティーヴン・ユー)氏がパスポート・ビザ発給拒否の処分取り消しを求めた行政訴訟の控訴審で、ソウル高裁はこのほど一審判決を破棄し、原告勝訴を言い渡した。

高裁は「兵役逃れの目的で外国籍を取得し、韓国国籍を喪失した者に対して、原則的に在留資格を付与してはならない」としながらも「ユ氏が満38歳を超えた場合、(ビザ発給拒否の)処分当時、旧在外同胞法一般規定が定める『韓国の安全保障、秩序維持、公共福利、外交関係など国益を害する恐れ』があるという他の特別な事情がない限り、滞在資格を付与しなければならない」と判断した。

ユ・スンジュン氏は「兵役の義務を果たす」と明言していたにもかかわらず、入隊前の2002年、仕事を理由に米国に渡り、韓国籍を放棄して米国籍を取った。韓国で「裏切り」「韓国への侮辱」の批判が上がり、韓国政府はユ氏の入国を禁じる措置をとった。ユ氏は駐ロサンゼルス韓国総領事を相手取り、2015年と2020年の2回にわたり、発給拒否処分を取り消しを求めて行政訴訟を起こしていた。

一審ではユ氏のビザ発給を許可すれば、社会全般に兵役忌避風潮が蔓延するなど社会的葛藤を招きかねないとした。だが控訴審は「過去の行為に対する結果論的な分析に過ぎない」として覆した。

ただ、ユ氏が韓国に戻るためには越えるべき山は多い。駐ロサンゼルス総領事が控訴審判決に不服として上告した場合、最高裁の判断を待たなければならない。判決の趣旨によっては、再び外務省がビザ発給を拒否する可能性も残っている。

(c)news1

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