韓国政府がこのほど発表した共同住宅公示価格は、全体で前年比18.61%の下落となった。同時に政府が5月から住宅都市保証公社(HUG)のチョンセ保証金返還保証加入基準を強化することで、住宅賃貸事業者の間に不安感が広がっている。
チョンセは毎月の家賃の代わりに保証金としてまとまった金を預ける韓国独特の制度だ。
HUGによると、当初チョンセ保証金返還保証加入基準はチョンセ保証金率100%だったが、これを90%に強化し、住宅価格を算定する際の公示価格も既存150%から140%に強化する。
賃借人が返還保証に加入するためには公示価格の126%(140%の90%)が保証保険加入金額になる。賃借人の返還保証加入基準が強化されれば、賃貸人も賃借人の基準に合うようにチョンセ価格を下げなければならない状況だ。
これを受けて、既存のチョンセ価格を維持しても取引できる売り物については5月から価格を下げる必要がある。
たとえばある11軒の多住宅賃貸事業者の場合、ソウル市江北(カンプク)区水踰(スユ)洞のビラについて3億ウォン(1ウォン=0.1円)でチョンセを出したが、公示価格が2億900万ウォンから1億9400万ウォンに下がり、強化された返還保証保険基準に合わせるためには最大2億4444万ウォンでチョンセを再び出さなければならない。
つまり5556万ウォン分、いわゆる「逆転税」が発生するのだ。多額の現金を保有している事業者でなければ、今後の保証金返還に支障を来す恐れがある。
この多住宅賃貸事業者は「賃貸人と賃借人が互いに争うことではないのに政府が賃借人を保護する名目で賃貸人を締め付け、賃貸人、賃借人の双方が被害を受けている」と話した。
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