
韓国の介護施設に入所した80代女性が大腿骨骨折による合併症で亡くなった。遺族は施設の過失を訴え、警察に捜査を促している。
女性は脳こうそくによる右半身まひで8年前から寝たきりで2024年3月に施設へ入所した。その約1カ月後に大腿骨を骨折し、尿路感染症を発症。8月に敗血症などの合併症で死亡した。

遺族は寝たきりの祖母が骨折したことに疑問を抱き、施設の防犯カメラ映像を確認した。そこには、職員がおむつ交換時に女性の脚を強く折り曲げる様子が映っていた。また、別の入所者の介助後、手袋を交換せずに女性のおむつを交換するなど不衛生な対応も確認された。
遺族は施設側の不適切な対応が死亡の原因だとして業務上過失致死傷の疑いで刑事告訴した。しかし、警察は「骨折を直接証明する証拠がない」「不適切な衛生管理が尿路感染症の原因と断定できない」として送検を見送った。
納得できない遺族が防犯カメラ映像の分析を専門機関に依頼した結果、職員が女性の右脚を左方向へ強く押し付けたため骨折した可能性が高いとされた。
施設側はあくまでそうした見解を否定していたが、遺族が放送局JTBCの番組「事件班長」に情報提供した後、和解を提案してきたという。
遺族側は警察の不送致決定に異議を申し立てる準備を進めている。
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