現場ルポ
先月、妊娠中の妻と胎児のための“胎教旅行”でグアムを旅したユさん(30)。A化粧品ブランドのリップグロスを購入するため、出国の際に仁川空港の免税店に立ち寄った。だが、品切れで買えなかった。
帰国の際にも免税店で、この製品を探したが、やはり品切れ。手ぶらでの帰宅となった。「久しぶりの海外旅行なので免税店でのショッピングを楽しみにしていたが、品切れの商品が多かった」。ユさんは残念そうだ。
本格的に空路が開かれ、免税店を訪れる人が急増している。だが、新型コロナウイルス感染の拡散前とは違って品切れ商品が多く、免税店に無駄足する人が増えている。
新型コロナ拡散のため、仁川国際空港の海外出入国者は1日平均5000人台まで落ち込んだ。だが、3月は海外入国者の自己隔離免除措置に続き、4月にはソーシャルディスタンスの全面解除で、同月の1日平均出入国者は2万人余りに増加した。
その後、エンデミックに転換するという期待と、「家庭の月」の連休で、5月1~10日の出入国者の人数は1日平均2万7000人余りに増えた。
今年、空港を利用する出入国の人数は引き続き増える見通しだ。これに伴い免税店の売り上げも前年対比で上昇傾向だ。
しかし、免税業界は本格的に旅行客を迎えるための物量拡大には、まだ消極的だ。
2020年の新型コロナ拡散前までは、仁川国際空港の海外出入国者の人員は1日平均20万人に迫っていた。それに比べて、いくら出入国人員が増えているとはいえ、依然、新型コロナ以前の10分の1レベルにとどまっているためだ。
また、新型コロナ前の2019年の免税店の売り上げは月額2兆ウォンに迫るほどだった。ただ、当時、大量に商品を仕入れた免税業界は新型コロナで商品を売りさばくことができず、不良在庫をなくすために輸入通関手続きを経て免税品を販売するなど、かなり苦戦した。
業界関係者は「最近、売り上げが増えたというが、現在の90%は中国のポッタリ商人(行商人)による化粧品の購入による。そのため、中国ポッタリ商人が訪れる化粧品だけを中心に物量を増やしている状況だ」と説明する。
特にファッション関連の商品の場合、流行に左右される。それゆえ、仕入れた商品が在庫として残ってしまう可能性があり、物量の拡大には積極的になれない状況だ。
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