クォン・サンウは製作発表会で「笑わせられなければ引退する」と言うほど自信にあふれていた。相手役と監督に対する信頼が土台になった。
ソン・ドンイルとは映画「探偵なふたり」(監督キム・ジョンフン、2015)や「探偵なふたり:リターンズ」(監督イ・オンヒ、2018)に続き3回目の共演だ。キム監督とも2度目であるだけに、息ぴったりだった。
イム・セミと夫婦の演技も輝いた。
イム・セミはウェブ小説作家を夢見るデウクの妻「ミジン」を演じた。各種事件・事故にも夫を黙々と応援する役柄だ。「ファンタジーが若干あったが、『あんな人と一緒に暮らせたらいいな』と思われるよう表現した」。こう指摘した。
クォン・サンウもやはり周囲から「『イム・セミのような女性と結婚したい』という連絡をたくさん受けた」とも話した。
40代の平凡な一家の主を演じ、俳優として共感する部分も多かったはずだ。デウクは名門大学出身で、大企業の最年少次長だ。エリートコースだけを歩んで 、一夜にして会社をクビになった。
クォン・サンウもやはり全盛期を過ぎて50代を眺めている。
「かなり前から『いつかは全盛期が過ぎていくだろう』と思っていた。結婚も思ったより早くして、子の父親になったのではないか。結婚と同時に私のポジションを守るために熱心に作品に取り組んだ」
クォン・サンウは2008年、ミスコリア出身のソン・テヨンと結婚、2人の子供に恵まれた。「妻が積極的に作品をモニタリングしてくれたことはない。やや冷たいくらいだ。危機のXを見ても100%褒めてくれなかった。『まあ、すごく共感するだろうね』。このくらいが(彼女からの)大きな称賛。私が大変で疲れた時、どんな状況でも私の味方。頼りたくなる。そういうのが夫婦関係」
最近、MZ世代は40~50代の中年俳優たちに熱狂している。特に俳優イ・ジョンジェはネットフリックス「イカゲーム」(2021)でシンドロームを起こした。
クォン・サンウは先輩たちを見て刺激を受けるという。
「イ・ジョンジェ先輩を見て『50歳を越えても全盛期が来ることができるんだ』と思った。羨ましくも慰めにもなり、また別の目標が生まれた。いつか出会えるかもしれないアクション映画を、いつも夢見て、運動もしっかりやる。俳優でなければ、このようにできないだろう」
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