ソウルでは、配送業者が個人の自宅や職場ではなく、コンビニや宅配専用受け取りボックスに荷物を届ける「安心宅配」サービスがある。一人暮らしの市民が時間を気にせず、宅配を利用できるようソウル市が2013年に導入した。市民への配慮から専用の受け取り電子ロッカー(安心宅配ボックス)が多数配置されたものの、利用率が実は伸びていない。
「安心宅配」は、見知らぬ配送業者が家に来ることに不安を感じたり、日中の大半が不在だったりする市民を対象に始めたサービスだ。住民センターや図書館などに安心宅配ボックスを置き、そこに荷物を届けてもらう仕組み。
ソウル市によると、導入初年度50カ所だった安心宅配ボックスは、2022年には271カ所に増えた。半面、1日で宅配ボックスが利用される率は年平均で▽2018年には57.4%▽2019年には52.3%▽2020年には38.8%▽2021年には33.6%▽2022年1~11月には30%と、年々低下している。
利用率低下の原因は、見つけにくいところにある点。安心宅配ボックスを使いたくても、どこにあるのか把握が難しく、アクセス性が落ちるためだ。
一人暮らしの会社員は(36)は「家から一番近いボックスでも徒歩10分以上かかる。近くになくても、地下鉄駅のようにアクセスが良いところにあれば、ぜひ使いたい」と話す。
市関係者は「市所有の遊休地が設置場所になっているため、アクセス性を高めるのに限界がある。ただ、利用率が低いボックスについては、1人世帯が多い地域や地下鉄駅のようにアクセスが良いところに映したい」との見解を示している。
(c)MONEYTODAY