
韓国国税庁が、国民の食料品や生活必需品の価格を談合によってつり上げ、不正に利益を得たうえで正当な税金を免れてきた企業に対し、強力な税務調査を実施した。すでに調査を終えた企業からは約1800億ウォンに迫る税金を追徴しており、最近の検察捜査で小麦粉価格談合が確認された企業など14社についても追加調査に着手した。
アン・ドクス国税庁調査局長は9日、政府世宗庁舎でのブリーフィングで「2025年9月から今年1月まで3回にわたり実施した物価不安誘発脱税者調査の結果、第一次調査対象となった53社から計1785億ウォン(約189億円)を追徴した」と明らかにした。
国税庁は同日、14社を対象とする第4次税務調査にも踏み切った。今回の調査対象企業の脱税容疑額は約5000億ウォン規模に上る。対象には、検察捜査で6兆ウォン台の談合容疑により起訴された小麦粉加工業者をはじめ、醤油・コチュジャン製造会社、割当関税の恩恵を私的に流用した添加物流通業者などが含まれている。
特に、ある小麦粉加工業者は「あみだくじ」方式などで価格を談合し、製品価格を44.5%引き上げた疑いが持たれている。同社は談合企業同士で架空の請求書をやり取りし、原価を水増しすることで、談合による利益800億ウォン以上を過少申告していた。
さらに調査の結果、同社はオーナー一族の葬儀費用や、私有するスポーツカー(スーパーカー)の修理費まで会社経費として処理していたことが判明した。オーナー一族に対する人件費70億ウォンの過大支給や、系列会社から本来受け取るべき商標権使用料80億ウォンを受け取らない形での不当支援も確認された。
寡占的地位を利用し、原材料価格が下落しても製品価格を引き上げた醤油・コチュジャン製造業者B社も調査対象となった。価格引き上げにより営業利益が300%急増すると、増えた利益を非課税で流出させるため、オーナーの子どもが運営する法人から相場より高い価格で包装容器を購入(20億ウォン)したり、高額な賃料(15億ウォン)を支払ったりしていた。また、実際には運営していない海外連絡事務所に運営費を送金し、オーナー一族の海外滞在費として流用していたことも分かった。
すでに調査が終了した第一次調査では、酒類やアイスクリーム製造会社などの脱税も摘発された。1785億ウォンの追徴額のうち、上位3社の独占・寡占企業だけで約1500億ウォンを占めている。
摘発された酒類メーカーは、市場支配力を維持するため販売店に1100億ウォン規模のリベートを支払い、これを広告宣伝費として不正に会計処理していた。アイスクリームなど加工食品メーカーも、特別関係会社に物流費250億ウォンを過大に支払い、製品価格引き上げを招いていた。
このほか、利用料を20%引き上げながら各種費用を虚偽申告し、5年間で年売上高の97%を脱税していた葬儀場運営会社も摘発された。国税庁は、故意性が強いと判断された12社について、租税犯処罰法に基づき検察に告発した。
アン・ドクス局長は「公正取引委員会や検察の調査で談合や独占行為が確認された企業については、直ちに脱税の有無を分析し、迅速に対応する。物価安定を通じて国民が生活の改善を実感できるよう全力を尽くす」と強調した。
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