世界観も暗い。
主なキーワードは▽アンダードッグ(勝利する確率が低いチームや選手)▽社会的ルーザー▽悪ではないジョーカーで「欠乏」――と要約される。メタバース時代の中でMZ世代の「不安な情緒」に触れるための装置と分析される。
それなら「サゴンイホ」が今後、念頭に置かなければならない課題は何だろうか。
「高クオリティー音源」という武器を前面に出して多少特異な世界観をMZ世代が直ちに理解できるよう説得することだ。
実際に「サゴンイホ」のデビュー曲は“韓国代表ヒット曲製造機”と呼ばれたキム・ヒョンソクが制作したもので、歌はやみつきになるという評価が相次いで出ている。
英国の有名混成4人組仮想バンド「ゴリラズ(Gorillaz)」の成功事例に注目する必要がある。
「ゴリラズ」は英国のバンド「ブラー(Blur)」のボーカリスト兼リーダー「デイモン・アルバン(Damon Albarn)」と漫画家ジェイミー・ヒューレット(Jamie Hewlett)が2000年にデビューさせたグループだ。
このバンドもメンバーならではの独特な世界観を持つ。ただ、音源と実際の公演に力を入れ、英音源チャート1位にも上がったことがある。
1990年代、サイバー歌手「アダム(Adam)」の人気が長く続かなかった理由は、「ゴリラズ」とは異なり、音楽を「目的」ではなく「手段」と見た結果だった。
したがってキム・ヒョンソク師団は「サゴンイホ」の存在感を表わすために「音源活動」に、よりいっそう力を入れなければならないようだ。
公開された予想活動ロードマップによると、公演活動よりNFTプロジェクトが中心になっているのが残念だ。NFTの成功要件はしっかりとしたファン層だが、「 サゴンイホ」の存在感は今のところそれほど大きくない。
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