仮釈放とは――懲役・禁錮刑の受刑者のうち、服役の態度が良好な場合、臨時に釈放する制度だ。無期刑は20年、有期刑は刑の3分の1が過ぎた後、行政処分で仮釈放を許可できる。
矯正施設の拡充が進まないなか、代案としてこの仮釈放の拡大が取り上げられている。
だが、韓国の仮釈放は国民感情などを理由に消極的に運営されている。総出所人数に対する仮釈放人員の割合を示した「仮釈放出所率」は、2018年が28.5%、2019年が28%、2020年が28.7%だった。たとえば、日本(58.3%)やカナダ(37.4%)に比べると、かなり低い率だ。
専門家は、矯正施設の過密化解消のためには、罪の程度や再犯の危険性などを考慮して、出入りする人数を的確に調整すべきだと助言する。
韓国刑事法務政策研究院のスン・ジェヒョン先任研究委員は「過密化解消の“入口戦略”として、罪の度合い、再犯の危険性などから判断して起訴猶予・執行猶予・宣告猶予・罰金などを適用し、“矯正施設に入るべき人”だけを入所させるようにする必要がある。同様に、再犯の危険性の低い人を対象に仮釈放を許可すべきだ」と指摘する。
◇受刑者の処遇
ただ、そのためには、矯正プログラムの強化▽矯正官の処遇改善▽矯正施設の現代化▽仮釈放後の保護観察や社会安全網の拡充――などを先行させることは不可欠だ。
スン・ジェヒョン氏は「刑罰の重要な目的の一つが『特別予防主義』、すなわち改善への教化だ。違法な行為に対する報いは必要であるため刑期は務めさせるが、最後は社会の構成員に戻るため、この時期に再犯の恐れを低くできるよう、適切に教化することが重要だ」と話した。
韓国の国家人権委員会も昨年11月に発刊した「矯正施設収容者の人権や処遇改善案に関する研究」で次のように求めている。
「仮釈放制度は、恩恵的な次元からアクセスするより、受刑者に対する処遇として施行すべきだ。仮釈放が受刑者の再社会化のための制度として定着するよう、現行法を改正する必要がある」
(つづく)
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