2024 年 11月 26日 (火)
ホーム経済IT/メタバース「リアルワールド・メタバース」かつてない経験

「リアルワールド・メタバース」かつてない経験

Startup Story ~~ 成功のカギ

ライフフェスタ シン・ジェチャン代表

ライフフェスタのシン・ジェチャン代表©MONEY TODAY

テウル(TAEWOOL)エンターテインメントのMMORPG「新英雄門」総括企画(1990~2003年)→NCソフトのグローバル同時開発プロジェクト「ギルドウォーズ」事業戦略担当(2003年~2005年)→韓国国内最高売上高1位300日を達成したジョイシティ(JOY CITY)の「ルールザスカイ」総括ディレクター(2009年~2012年)→クラフトン(KRAFTON)に売却されたイノスパーク(InnoSpark)の共同代表取締役(2012年~2018年)→クラフトン「ミニライフ」総括ディレクター(2018年~2020年)

これがライフフェスタ(LIFE FESTA)のシン・ジェチャン代表が歩んできた道のりだ。

その共通点とは――シン氏が開発したゲームのほとんどが、社会関係を強化する「ソーシャル機能」に特化していたことだ。

「20年間、ゲーム事業に携わってきて、人と人との社会的連帯感を高めるオンラインソーシャルゲームを主に製作してきました。メタバースでは、現実と仮想空間が融合した世界観を通じて、人と人の関係のリアリティを高める計画を立てています」

米マイクロソフト(MS)が最近、大手ゲーム制作会社の米アクティビジョン・ブリザードを687億ドルと巨額で買収し、業界を驚かせた。このビッグディールが照準を定めたのが、メタバースだった。ゲーム業界は既に「メタバースが次世代インターネットの主流になる」という前提で動いている。これがシン代表を揺さぶった。

2020年2月、クラフトンを出て、「ミニライフ」プロジェクトをともに手掛けたチームメンバー7人と、ライフフェスタを起業した。

メタバースアプリ「アクティブリー」(ライフフェスタ提供)©MONEY TODAY

今年半ばに、メタバースアプリ「アクティブリー」を発売を控える。既にいくつかの機能のデモンストレーションを済ませている。

アクティブリーのアプリを開いてみる。すると、最初の画面で、キツネのキャラクターが木の下から現れる。「自身の好きな動物をキャラクター化することで、ペットと飼い主を繋げることができる」(シン代表)そうだ。

シン代表が会社まで歩いてきた道が、画面にアニメーション地図で描かれる。アプリ内の万歩計には歩数が表示され、あらかじめ設定しておいた目標を達成すると、キツネから報酬(「ゴールド」という名前のゲームマネー)が与えられる。

これは26年前、日本で初めて開発されたゲーム機「たまごっち!」を連想させるものだ。「自身のライフログが自動記録され、これに対するフィードバックや報酬を感情豊かに提供できるようデザインしました」

キツネのキャラクターをキャンプ場に移動させる。ゴールドで購入した高級テントの前でキツネが薪に火をつけると、周辺にいた他の動物キャラクターが一斉に集まってきた。ワインの話をするやいなや、関連したアイテムを購入したあるキャラクターが「一緒に飲もう」とワイン瓶を持ってきた。

画面上側のボタンを押すと、関連ソーシャルコミュニティルームにリンクし、その中でワインを紹介する文章がタイムラインのように展開される。アプリ内の仮想空間は現実と同じように、夕方になると暗くなり、天候の変化によって雨や雪が降る。気象庁のデータと連動してリアリティを倍増させているという。

アクティブリーは、こうした仮想内の経験を現実にすべく、現実の経験を仮想世界にそのまま反映し、ユーザーにこれまでなかったような経験を提供する。「多くのブランドが、仮想世界用サービスを手掛けていますが、私たちは仮想世界だけではなく、地域を基盤にした商圏やオンラインコミュニティなどと実際に連携している点で、他社のメタバースコンテンツと差別化を図っています」

リアルワールド(Real World)基盤のライフログ型メタバース―― アクティブリーを、シン代表はこう表現している。

キャンプだけではなく、映画館、カフェなど、ランドマークのようなテーマ型の空間がある。そこに従来の対面による活動経験を拡張し、現実のコマースブランドとコラボしながらブランドショップを構築し、NFTやブロックチェーンなどで収益モデルを多角化していく――シン代表はこんな展望を語った。

「メタバースは10年以内に、現実のすべてのアイテムをデジタル化するための起爆剤になるでしょう。人々の暮らしをより楽しく、幸せにできるよう、サービスを提供いきたいと思います」

©MONEY TODAY

RELATED ARTICLES

Most Popular