◇与党からも「専門担当チーム設置」必要
キム氏の行動と関連して論争が起こると、与党からも第2付属室、あるいはそれに準ずる専属チームの設置を求める意見が出ている。キム氏は事実上、「ファーストレディ」として行動を始めているため、制度的に管理する必要性が生じているというわけだ。
キム氏が先月末、大統領室で撮った写真が、大統領秘書室ではなく、個人のファンカフェを通じて公開されるなど、議論が続いてきた。最近ではメディアとの初めてのインタビューで、動物遺棄・虐待、犬の食用問題などに声を上げている。
国民の力の元議員、キム・ヨンウ氏は14日夜、韓国TBSラジオに出演し、「(キム氏)1人でノ・ムヒョン元大統領の墓地も参拝し、クォン・ヤンスク(権良淑)氏に会うのは政治的な行動だ。もはや『内助に専念します』という言葉は通じない。既にその水準を超えている」と苦言を呈した。また「どうせそうするなら付属室を設置して、堂々と政治活動をやりなさい」と注文した。
国民の力のイ・ジュンソク代表も13日、MBCラジオで「(大統領配偶者は)むしろ公的な組織を通じて活動すれば本当に良いと思う。公的な領域で管理されなければならないのではないか」との見解を示した。
一方、パク・チウォン(朴智元)前国家情報院長もTBSラジオで「大統領配偶者の役割はしない(と当選前に言っていたとしても)政権引き継ぎ委員会で大統領府付属室を設置して、(キム氏の行動を)きちんと管理すべきだった」と指摘した。
◇大統領室、「キム氏専属組織」計画に一線を画す
しかし、大統領室は、キム氏が公開的な政治活動を始めたわけではなく、第2付属室など専属組織を設ける計画もない――という立場を取る。ユン大統領が選挙戦で「第2付属室廃止」を公約したことや「夫が大統領になっても妻の役割だけ忠実に果たす」と明らかにしたキム氏の考えを意識したものと見られる。
大統領室の主要関係者は、龍山庁舎で記者団の取材に応じ、キム氏がクォン氏に会うことは「静かな内助」の範疇である点を強調した。キム氏の活動が政治的意味を持つものではなく、あくまでも「妻の役割」という見方を示した。
キム氏を批判する民主党の論評に対しても「追慕の心を私的論争に追い込んでいる」と批判したうえ「今後も大統領の配偶者として本来の役割を忠実に果たしていく」と明らかにした。
ただ、キム氏を補佐する専属チームの設置を、いずれかのタイミングで検討する必要があるとの指摘も根強く、大統領室の主要関係者も「順次、制度化されると考える」との見解を示している。
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