「コンテンツですか? ブランド入店や差別化PB(独自ブランド)のようなコンテンツ、もちろん重要ですが……。入店立地が店舗の成功の9割を越えます」
ある流通業界関係者はこう述べ、新しく出店する店舗の成功のカギが「立地」にあると説明した。
その時、考えるべき事項はたくさんある。流動人口が多いことは当然重要だ。ただ、客が単に通り過ぎていくだけなのか、それとも通りがかりの店を訪問する考えがあるのか、どのぐらいの頻繁で訪問し、どれだけ足を止めるのか、一定レベルの購買力を持っているのか……などをすべて考慮しなければならない。
こうした入店の立地が、店舗の成功を決定づける最も重要な要因といえる。それゆえ、流通業界は立地を決めるため長い時間を費やす。
なかでも最も出店が活発な業種であるコンビニは、商圏分析に長けている。
コンビニは各社それぞれ開発チームを運営しているが、この商圏分析が各社で最も重要なチームと考えられている。成果給なども他チームに比べて高く出るという。
コンビニほど店舗を頻繁に出店しない百貨店業界でも、新店舗を出す際には商圏分析に力を入れる。
百貨店は高級品を扱うため、出店予定地の購買力をより重視する。もちろん、高級住宅街に出店するほど新規店舗の成功する確率が高くなる。
ある百貨店業界関係者はこうつぶやいた。
「業界で公然と使う表現は『新規店舗が成功するかは、その店舗の周辺の住宅価格にかかっている』ということ。結局、住宅価格が高い街に百貨店を出店すれば、成功は自ずとついてくる」
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