
韓国国内の就職市場が冷え込むなか、韓国の化粧品業界が積極的に人材採用を拡大している。かつては内需中心だったが、ここ数年で輸出の成長産業に定着したことで、海外市場での需要に即応できる人材を確保するためだ。社員の年収が1億ウォンを超える企業も出ており、待遇面でも注目を集めている。
大手化粧品企業APRは、アジア、北米、中東、欧州など13カ国で「グローバルビューティーマーケター」の採用を進めている。業務内容はオンライン販売企画、インフルエンサーマーケティング、コンテンツ制作など現地市場への定着を図る幅広い活動だ。同社の社員数は620人と、1年前に比べて25%近く増加した。
ブランド「朝鮮美人」を展開するグダイグローバルは英国をはじめとする海外営業やパフォーマンスマーケティングなどで人材を募集中だ。従業員数は昨年50人から現在130人に増えている。
化粧品ブランド「アヌア」を持つザ・ファウンダーズも日本や北米を中心にマーケティング・営業職を大規模採用する予定で、今年だけで経験者100人以上の採用を計画する。
さらにスキンケアブランド「thome」を展開するATHOMEは北米市場開拓を狙い、マーケティング責任者を公開採用中。社員数は145人と、昨年から33%増えた。ダルバグローバルも日本、中国、北米、ベトナム、中央アジアなどに人材を配置する。
求職者にとっても「成長産業でグローバル経験を積めること」や「事業拡張に関与できること」が魅力とされる。APRでは上半期、男性社員の平均給与が1億1900万ウォン、女性社員は5100万ウォンで、年換算するとそれぞれ2億ウォン台、1億ウォン台に達する。ここには給与、賞与、ストックオプションの利益などが含まれる。
業界では「Kビューティーは海外市場での存在感を拡大しており、今は成長を持続させる分岐点。現地文化に精通した人材を確保することが不可欠」との見方が強い。
(c)news1