韓国が「血液不足」となりそうだ。10~20代の献血は減り続け、10年前に比べて半分になった。ベビーブーマー世代の血液で今まで何とか持ちこたえてきたが、まもなく限界点に達するとの展望が出ている。
◇高校生の献血、10年間で半分以下
今年の血液供給が必要量に達しない可能性がある。
人口危機と同時に到来する「血液不足」は、国民生命線の危機でもある。献血を増やすのが難しいならば、血液の「需要」を調節しなければならない。
韓国で高校生の献血件数が10年間で半分以上減った。高校生の献血数は2013年に全体の36%だった。10年が経った今、それが約17%となった。韓国の血液供給3分の1を担っていた柱が崩れ落ちた。低出生率による人口危機が、間もなく「血液不足」をもたらすことは明らかだ。
献血する人がだんだん減っている。キャンペーンを通じて献血率を上げる方法では、血液不足を防ぐことはできない。血液の「供給」管理ではなく「需要」をコントロールする根本的な対策が必要だ。
無分別な輸血による浪費を防ぐなど、医療現場の意識変革も必要だ。まだ医療現場に根付いていない「患者の血液管理」という概念の定着を急がなければならない。輸血への依存を減らす薬剤の使用拡大と、献血に代わる人工血液の開発などの模索が続いている。
◇50~60代がカバー
「言ってみれば、韓国の献血政策は、60万人の軍人に頼り切っていた」
大韓患者血液管理学会のキム・テヨプ会長(建国大学病院麻酔痛症医学科教授)は、韓国の献血の実態をそう指摘した。彼の言うとおり、10~20代の若年層は一時、韓国の血液供給の80%を担っていた。
2013年に16~19歳(10代)の献血実績は105万8704件だった。同年の献血全体の36.3%を占めた。20~29歳(20代)は123万1995件で、42.3%を占めた。
しかし、これらの年齢帯の献血実績は、10年間で減少を続けている。特に10代の減少幅が激しかった。
2016年に16~19歳の献血実績は92万2574件で、100万件を割った。2018年はこの年齢層が占める割合が29.6%となり、30%の壁が崩れた。昨年の献血実績は46万2186件(17.4%)となり、2005年の統計作成開始以来、過去最低を記録した。
同期間、20代の献血実績も昨年97万120件で、10年間で21%減少した。献血全体のうち、20代の占める割合も42.3%から36.3%に減少した。若年層の献血者が減ったことで、2013年に291万4483件だった献血数は2022年に264万9007件まで減少した。
減少した分を50~60代がカバーし、供給量は維持できた。
50~59歳の献血は2013年に6万5933件(2.3%)だったが昨年は26万2920件(9.9%)に増えた。60歳以上の献血も同期間に9142件(0.3%)だったが5万820件(1.9%)へと、5倍以上増えた。
(つづく)
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