「靴底からドライブレコーダーの音声まで全て見つけ出す」
韓国・国立科学捜査研究院(国科捜)交通課は、事故原因を科学的に解明するため、さまざまな手法を駆使している。先月発生したソウル市庁駅逆走事故でも、靴底に残ったアクセルペダルの跡が事故原因の特定に役立った。チョン・ウジョン課長は「アクセルペダルやブレーキを強く踏んだ際には、摩擦熱で跡が残る」と説明する。
国科捜では、事故の依頼があると、まず車両事故の履歴、防犯カメラ、ドライブレコーダーを精査する。これらのデータに加え、車両に内蔵された事故情報計測・記録装置(EDR)を確認する。EDRは事故発生前後の車両データを記録し、ブレーキの作動状況やハンドルの角度、速度変化などが含まれる。
さらに、ドライブレコーダーの音響周波数も解析される。エンジン音を細かく分解し、エンジン回転数や車速を計算することで、EDRデータとの一致を確認する。この手法は、市庁駅事故でも用いられた。
急発進が発生する原因としては、運転者の誤操作や、アクセルペダルがマットに引っかかる場合、車両の構造的欠陥、電子スロットル制御システム(ETCS)の欠陥などが挙げられる。自動車のエンジンは、スロットルバルブを通じて吸入空気量を制御し動力を発生させる。ETCSの不具合が原因で急発進が起こる可能性もある。
2010年から今年5月までに、国土交通省に報告された「急発進の疑いがある事故」は793件に達するが、これまでに車両の欠陥による急発進が認められた事例はない。
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