2026 年 2月 19日 (木)
ホーム社会事故の責任は誰が負う…韓国・自動運転“商用化目前”でも制度は未整備

事故の責任は誰が負う…韓国・自動運転“商用化目前”でも制度は未整備

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AI(人工知能)がハンドルを握る「完全自動運転」の時代が目前に迫る一方で、韓国では事故が発生した際の責任の所在に関する基準は依然として不明確なままだ。研究目的の自動運転車の試験走行が急増し、かつて反発していたタクシー業界も前向きな姿勢に転じているだけに、商用化に先立つ制度整備が必要だとの指摘が出ている。

韓国交通安全公団によると、研究・実証目的で臨時運行の許可を受けた自動運転車は、2016年には11台だったが、今年までの累計で562台に増加した。臨時運行の自動運転車は、商用化前に技術検証や研究のため、公道走行が認められている車両だ。

政府は2027年までにレベル4の自動運転の商用化を目標としている。そのため今年から、都市全体を実証空間とする「自動運転実証都市」を指定すると発表した。自動運転データの確保に向け、各種規制の合理化や制度改善にも取り組む方針だ。

国際自動車技術者協会(SAE)の基準によると、自動運転技術はレベル0からレベル5までの6段階に区分され、段階が高いほど自動化の水準が高くなる。現在、韓国の技術水準はレベル2~3にとどまっている。

フィジカルAIの発展により自動運転の商用化が現実味を帯びる中、これまで導入に反発していたタクシー業界の姿勢も変化している。最近、全国タクシー運送事業組合連合会は、現代自動車やカカオモビリティなどと自動運転への転換に関する協約を締結した。海外の自動運転企業にタクシー市場の主導権を奪われかねないという危機感や、慢性的な運転手不足が、こうした変化の背景にあるとされる。

自動運転の商用化が迫る一方で、事故責任をめぐる法的な不確実性は、むしろ大きくなる恐れがある。実際、臨時運行の自動運転車による事故は、2022年の7件から昨年は47件へと約7倍に増加した。現在は研究目的で運転者が同乗しているため、臨時運行車両の事故については、原則として運転者責任とされている。

しかし、自動運転の段階が高まるにつれて運転者の責任が軽減されれば、製造物責任法に基づき、製造会社やシステム開発会社の責任が大きくなる可能性が高い。ただし、実際の事故紛争では、消費者側の立証負担やデータへのアクセス制限により、責任の所在を明確にするのは容易ではないとの指摘がある。

法律の専門家は「レベル4~5に進むほど、製造者の責任比重は高まらざるを得ない」とした上で、「製造物責任法により、メーカーがEDR(事故記録装置)やDSSAD(自動運転情報記録装置)を提出することは可能だが、これらの情報だけでは責任の判断には不十分だ」と指摘した。また、「追加データは営業秘密を理由に提供されないケースが多く、走行データの確保と共有に関する制度整備がなければ、責任判断は難しい」と述べた。

現行の「自動運転自動車の商用化促進および支援に関する法律」には関連規定が設けられているものの、自動運転レベル0~5それぞれの明確な法的定義や、段階ごとの事故責任基準は具体化されていない。

サムソン火災・交通安全文化研究所のチョ・ジュンハン主席研究員は「事故責任を明確にするため、自動車保険関連法や道路交通法など制度全般の再整備が必要だ」と述べた。さらに、「現在は自動運転車事故調査委員会が原因究明を担っているが、商用化後に事故が増えれば、一部機能を民間に移管することも検討すべきだ」とし、「公正な事故原因究明のための役割分担についても、今から議論を始める必要がある」と語った。

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