
韓国eコマース業界において、クーパンの個人情報流出事件の影響で消費者の利用プラットフォーム移動が進む中、中国系eコマースの台頭が注目されている。なかでもファッション特化型ECの「SHEIN(シーイン)」は、今年だけで利用者数が341%増加するなど、韓国市場への浸透を急速に進めている。
中国発の「AliExpress(アリエクスプレス)」や「Temu(テム)」は、ティモンやウィメプの後退を機に超低価格戦略で急成長。今年は「クーパン・ショック」とも呼ばれる個人情報流出問題が追い風となり、Cコマース全体にとって大きな追撃チャンスとなっている。
統計によると、2025年1~3四半期の韓国における海外直購(越境EC)市場は6兆2537億ウォンに達し、前年同期(5兆8666億ウォン)から約6.5%増加。うち中国からの直購は1兆4141億ウォンで前年比19.9%増、全体の66.6%を占めており、中国発プラットフォームの存在感がさらに強まっている。
モバイル分析企業ワイズアプリによれば、月間アクティブユーザー(MAU)でアリエクスプレスは895万人を記録し、韓国の主要ECである11番街(827万人)、Gマーケット(640万人)を抜いて第2位を確保。テムは821万人で第4位につけ、急速に拡大している。
さらに、ファッション専門のSHEINはより急進的な成長を見せている。データ分析会社IGAWorksによると、SHEINの2025年1月のMAUは約45万人だったが、11月には約198万人に達し、前年比341.21%という驚異的な成長率を記録。国内ファッションEC競合であるエイブリー(+13.28%)、カカオスタイルのジグザグ(+13.78%)をはるかに上回り、業界1位のMusinsa(ムシンサ)の+36.27%さえも大きく上回る伸びを見せた。
ファッション・衣類カテゴリーは、中国EC直購のなかで最も急成長している分野の一つであり、2022年の2兆6399億ウォンから2024年には3兆6080億ウォンまで拡大。今年3四半期時点でも衣類関連が全体の42.1%を占めている。
グローバル市場調査会社Statistaは「SHEINはアルゴリズムとビッグデータを活用し、トレンドを即座に捉えて超高速で商品化する能力が強み」と分析。また、TikTokやInstagramといったSNSを活用したプロモーション戦略がZ世代・ミレニアル世代の顧客層に強くアピールしていると評価している。
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