
韓国人にとって中国旅行がこれまでになく容易になっている。中国政府が韓国を含む45カ国に対してノービザ入国措置を2026年末まで延長したうえ、11月20日からは外国人入国カードの完全オンライン化を実施する。これにより、煩雑だった入国手続きが大幅に簡素化される。中国が韓国人観光客誘致に本腰を入れている様子がうかがえる。
中国国家移民局は、飛行機内で記入していた紙の入国カードを廃止し、専用アプリ「移民局12367」や微信(WeChat)、支付宝(Alipay)のミニプログラムによって電子申告を可能にする。旅行者は出発前にスマートフォンで提出するか、現地到着後に空港内に設置されたQRコードをスキャンして入力できる。
これにより、従来の「機内記入の煩わしさ」や「入国審査前の書類確認」といった負担が解消され、入国のストレスが大きく軽減されそうだ。永住権保持者、団体ビザ、24時間以内の乗り継ぎ利用者など一部を除き、多くの外国人に適用される。
さらに、中国は韓国人に対する「30日間ノービザ入国」措置を2026年末まで延長する。2024年に始まった短期観光、ビジネス、親族訪問などを対象とする措置が継続されることで、訪中意欲は一段と高まっている。
韓国観光公社の統計によれば、2025年1〜8月に中国を訪れた韓国人は約198万7500人で、前年同期比40.6%増となった。
最近では、中国でカカオトークの接続がVPNなしで一部可能になったという報告もあり、韓中関係の改善を示す兆候ではないかとの見方も広がっている。ただし、北京の韓国大使館は「一時的にメッセージが送信された事例があるが、遮断解除とは断定できない」と慎重な立場を示している。
このような入国環境の改善を受け、中国各地の地方政府は韓国での観光プロモーション活動を活発化させている。業界関係者は「韓国を中国観光市場の主要ターゲットと位置づけた戦略的な動き」と分析。特に「コロナ後の回復が最も早い国が韓国であり、ノービザ措置の維持が地方政府の“ソウル行きラッシュ”を加速させている」と語る。
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