
日本と中国の緊張を背景に、中国政府が日本旅行を事実上抑制する「反日令(限日令)」が続く中、行き先を韓国へ切り替える中国人観光客が急増している。百貨店や免税店、ホテルなど国内流通・観光業界は、内需不振を補う“反射効果”への期待を強めている。
韓国観光公社データラボによると、昨年11月の訪韓外国人のうち中国人は36万4035人で、前年同月比29.0%増。中国人団体のノービザ入国が始まった10月の伸び(21.5%)を7.5ポイント上回った。
ノービザの効果は10月から表れたとみられる一方、反日令は11月7日、当時の高市早苗首相による発言を契機に鮮明化。11月の増加率が10月を上回った点から、反日令の影響がより強かったとの見方が出ている。
国土交通省の航空統計では、11月の韓中路線旅客の増加率は26.3%で、10月(22.4%)を上回った。12月も19.8%増と高水準を維持した。
高額商品の代表格であるクルーズも動きが大きい。仁川港湾公社によると、仁川港へのクルーズ入港は2024年15回、2025年32回、2026年は64回(予定)へと拡大。増加分の大半が中国発とされる。実際、64回のうち約40回は昨年12月に急きょ組み替えられ、日本への寄港予定だった船が反日令を受け仁川へ航路変更したと伝えられる。
業界関係者は「10月のノービザで来訪は増えたが、購買力の高い沿海部居住者は既に個人ビザを保有するケースも多く、支出効果は限定的だった」と指摘。「反日令の直後は、増加幅が体感できるほど急だった」と話す。
反日令の長期化に伴い、中国人インバウンドの増勢が百貨店、免税店、ホテルまで広がるとの見通しが強い。2016年の最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」配備を契機に起きた“限韓令”では、訪韓中国人が翌年に半減する一方、日本やタイが反射効果を享受した経緯がある。
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