2024 年 11月 24日 (日)
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中国による希少金属の“人質”…韓国政府、必死の懸念払しょく

産業通商資源省のチュ・ヨンジュン産業政策室長(写真提供=産業通商資源省)(c)MONEYTODAY

中国が来月1日付で施行する希少金属ガリウム・ゲルマニウム輸出統制に関連して、韓国産業通商資源省はこのほど、産業供給網点検会議を開き、国内サプライチェーンの影響を討議した。韓国政府は、中国以外からの輸入や代替素材の使用が可能なうえ在庫も十分なことから「需給への影響は限定的」と見ている。一方で、輸出統制が米中間の半導体・ディスプレイ覇権争いに端を発するだけに、長期的なサプライチェーンの安定化が急務だとの意見が出ている。

中国商務省は3日、半導体の重要な原材料であるガリウムとゲルマニウム関連品目の輸出を来月1日から統制すると明らかにした。

中国は世界のガリウム生産量の95%以上、ゲルマニウム生産量の67%以上を占める。米地質調査所の報告書によると、米国は2018~21年、ガリウム輸入量の53%、ゲルマニウム輸入量の54%を中国に依存していた。今回の輸出統制は、米国が中国内の半導体製造施設に対して下した輸出統制に対する対抗措置とみられている。

産業通商資源省側は、ガリウムは将来的な半導体開発の研究用に使用するため、量産品の製造に直接影響は大きくないという立場だ。「ディスプレイ分野ではOLED(有機発光ダイオード)などの素材として使用しているが、米国でも輸入が可能で在庫が確保されている」としている。

半導体に使われるゲルマニウムについても、同省と業界は「代替のガスを使用しており輸入先の多角化が可能と」説明している。

チュ・ヨンジュン産業政策室長は「今回の措置の影響は限定的だろうが、中国の輸出統制がいつまで続くか不透明で、他の品目に拡大する可能性もある。半導体など主要産業の生産に支障がないよう、代替輸入先の確保・備蓄に努め、特定国への依存が集中している品目の代替物質の開発などを進める」と述べた。

(c)MONEYTODAY

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