韓国の製造業が苦戦する中、韓国の米加工食品が中国で注目されている。中国では製造技術や流通網に対する信頼の欠如から、韓国や他の食品先進国の加工食品が高い人気を集めている。特に、韓国米加工食品協会が中国・杭州で開催した「第1回韓国米加工食品輸出相談会」では、韓国米を使用した多様な製品が展示され、大きな反響を呼んだ。
相談会には協会所属の150社以上が参加し、200人以上の中国のバイヤーとの商談に臨んだ。展示品は、韓国の米を使用した餅、インスタント粥、冷凍スナック、伝統酒などで、これらの食品が中国で市場を開拓することを目指している。
中国政府にとって、米は戦略的な重要食材であり、国内自給率も高い。そのため、韓国からの米の直接輸入は困難だが、加工食品としての輸入には高い可能性がある。韓国の米加工食品市場が飽和状態にあることからも、中国市場での新たな需要開拓は協会にとって重要な課題となっている。
初回にもかかわらず、今回の相談会では412万ドル(約6億3000万円)の商談額と、262万ドル(約4億円)の購入意向が取り付けられ、16社が具体的な購入契約を進める。この実績は韓中関係の冷え込みや暗黙の韓国製品輸入規制「限韓令」にもかかわらず、今後の市場進出への可能性を示すものとなった。
韓国の代表企業は、現地の需要に合致した製品で中国市場に挑戦している。冷凍餅ブランド「ザ・バルン」を展開するテスン食品のチーム長は、「日本や中国の餅と異なる韓国餅の魅力を発信し、新市場を開拓する」と意欲を語った。また、油を使わずに膨らませた米チップ「Kポップチップ」を販売するJ&Eの担当者も、「中国の若者の間で健康スナック需要が拡大しており、我々の製品で実績を築きたい」と述べた。
今後、中国市場の安定した成長に向けて、参加企業からは流通ネットワークの整備や知的財産権保護の重要性が指摘された。特に冷凍食品輸送におけるコールドチェーンの改善や、模倣品の流通防止が課題とされる。
協会は今回の相談会を契機に、今後も具体的な成果を目指すイベントを企画していく。パク・ビョンチャン会長は「韓国の優れた米加工食品が中国市場で地位を築くための重要な足がかりとなる」と述べ、引き続き企業支援に力を入れていく意向を示した。
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